一歩先の価値観を教えてくれるNetflix(ネットフリックス)おすすめ作品。【クロワッサンエンタメ放談】
今回クロワッサン編集部で再度Netflixファンを集い、おすすめ作品をテレビ電話でレコメンドしました。
今回の放談メンバーは……。
えんど
『奥さまは魔女』からアメリカン・ドラマファン。『アリーmy Love』『セックス・アンド・ザ・シティ』を楽しんだ後、子育てに追われ一時ドラマから離れていたが、『HAWAII 5-0』で海外ドラマ好きが再燃。Netflix他、いくつかの動画配信サービスを契約している。
まめぞう
音楽、本(漫画)などカルチャー好き。映画も映画館も好きで、某ミニシアターの年間会員に入会するほど。現在はティーン映画やドラマに夢中。デザインの勉強をしている頃、学生映画祭のロゴコンペ入賞。その時できた友人にNetflixをオススメしてもらう。
ユリ
ドラマや漫画が好きで、映画はあまり観てこなかったが、映像配信サービスを契約してからいろんな作品を観漁るように。1日に5本以上観ることも。骨太な社会派ドキュメンタリーやバトル系リアリティショーが好き。
ユリ:今回、えんどとまめぞうが参加してくれましたが、Netflixに加入したきっかけは?
えんど:私は知人から、「今Netflixにハマっていて、時間足りない!」という言葉を聞いたことと、昔観た映画で「(特にするべきことの無い夜に)Netflixでも観る?」というセリフに、海外ではNetflixが日常になってるんだな、と思ったのがきっかけ。
まめぞう:映画が大好きなのでおすすめされてお試しで入ってみたら、映画作品だけでなく、オリジナル作品もおもしろくてどっぷり!
えんど:私は家族がいるから、家族で観る作品とひとりでゆっくり観る作品が違うの。
まめぞう:家族がいる人ならではですね!
えんど:家族で一緒に観るのは『ハウス・オブ・カード』、『フリンジ』、『シャーロック』、『ブラックリスト』。ドキドキするミステリー作品を一緒に観て、感想を言い合うんだよね。連続物は1話40分くらいで観れるから、サクッと隙間時間に観れるのが嬉しい。
たま〜に、夫と高校生の息子もいない夜があって、そんな日はUber Eatsでタイ料理をデリバリーして、iPadで観たい作品を観るのが至福の時間(笑)。
ユリ:ひとりでゆっくりのときは何を観ているんですか?
えんど:最初は「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」にハマりました。
裕福なお嬢さまが、過去の小さな犯罪で突然刑務所行きになり、女性刑務所に収監。そこを舞台にしたシリーズ物ドラマなんだけど、刑務所の話だから、人種差別、ドラッグ、LGBTQ、貧困、暴力などの社会問題が渦巻いているのに、主人公をはじめ、みんなタフで明るい。
自分の住む世界とはかけ離れてるのにリアリティがあって、止まらなくなっちゃいましたね。
ユリ:エミー賞など、数々ノミネートされてる話題作ですよね!
えんど:Netflixのいいところって、一歩先の価値観を見せてくれるところ。
例えば以前ハマっていた『アリーmy Love』では都会で弁護士として活躍する女性のライフスタイルを通して、働くことを含めた女性の人生の価値観を提示してくれたけど、今はNetflix配信のドラマがその役割を担ってくれているし、今の生きた英語を知れる絶好の場所だよね。
まめぞう:一歩先の価値観にすごく共感できます!
女性に対する価値観もですが、今、問題になっていることを取り上げるのもすごく早いですよね。
最近だと、『アンオーソドックス』と『ワン・オブ・アス』いう作品が心に残っています。
『アンオーソドックス』は超正統派ユダヤ教の女性がニューヨークのコミュニティから逃亡し、ベルリンで新しい生活を始めるミニドラマ、『ワン・オブ・アス』はユダヤ教ハシド派から抜け出した人が勝ち得た自由と苦悩を描いたドキュメンタリー映画。
ユダヤ教という宗教の今まで知らない側面を見せてもらいました。
あと、インド系アメリカ人の女の子が主役の『私の”初めて”日記』。
主人公はイケてる高校生を目指すんですが、ティーンドラマながらも、女性に対する保守的な価値観や、結婚への捉え方など、インド文化の問題提起を織り込んでいるんです。
世界には私の知らない問題があって、それらを知らせてくれる作品に出合うとNetflixに入ってて良かったと思えますね。
えんど:家にいながら多様性を知れるのもいいよね。
大好きな『クイア・アイ』は“ファブ5”というファッションや美容、インテリアなど、スペシャリストの5人のおしゃれなゲイが、一般人を素敵に変身させるリアリティーショー。
アメリカ人ってニュースでは肌の色や信仰の違いなどでしか語られないけど、例えばLGBTQとか、オタクなインド系の人、低所得の白人など、アメリカに住む生きづらさを感じているマイノリティがいることを改めて目の当たりにして、唸らされました。
ユリ:『クィア・アイin Japan!』もいいですよね、何回もリピートしてその度に涙しています。
えんど:自尊感情の薄い日本によく来てくれたよね!
『クィア・アイin Japan!』を観ていると、こんなに息苦しい国で生きている私たち……と考えてしまう部分がすごく多かった。
好きなエピソードのひとつに、結婚して5年目の若夫婦が2人とも全く料理をしないことを“ファブ5”に告白するところ。日本だとなぜ妻が料理をしないのかと詰問されることが多いけど、“ファブ5”はそこではなく、料理・食事を2人で楽しもう、と夫側に提案する。
そんな価値観の変化に感動してしまいました。5人のチャーミングなキャラクターにも注目して欲しいですね
ユリ:6月5日から新シーズンがはじまったので、本当に楽しみ! また号泣です!
まめぞう:出演者のひとり、ファッション担当のタン・フランスが出演しているリアリティーショー『ネクスト・イン・ファッション』も観ました!
ユリ:私も大好き! ファッションデザイナーの勝ち抜きバトルって今までアマチュアレベルのものが多かったんですが、出ている出場者がプロばかりなのでクオリティ高くて見応えがあります!
えんど:ファッション担当だから、『ネクスト・イン・ファッション』は私も一気に観てしまいました。観ているだけでドキドキ・キラキラしておしゃれ心くすぐられる。
こちらもいろんな人種のデザイナーが活躍していて、文化の違いが出ておもしろいよね。
まめぞう:この番組について友人と話題になったとき、「どうしてもお金がある人の方がデザインの引き出しが多く感じるよね」という話になりました。家庭環境や教育環境の違いがデザインに表れているように見えて、少しだけ社会問題も反映させている気がしました。
えんど: 『クィア・アイ』の話に戻っちゃうけど、5日間という短い時間の間で潤沢な予算を使って変身させてくれて、さらに自尊感情を取り戻してくれるようなポジティブなキーワードで、変身対象者が幸福な顔になっていく。やっぱりお金って大事だよね、と思うこともしばしば。
Netflixの番組を観ているとお金の問題について考えることも多いです。
それにしてもNetflixのリアリティーショーはお金がかかってる! あんな素敵なアトリエで布も素材も何もかも選びたい放題な環境がワクワクさせられます!
ユリ:多様性といえば、『セックス・エデュケーション』はチェックしていますか?
えんど:ひとりで観るリストに入ってて、気になってます!
まめぞう:ぜひ観ていただきたいです!
私、ティーンドラマが大好きなんですが、『セックス・エデュケーション』は秀逸な作品!
セックスカウンセラーの母を持つ、16歳の男の子があるきっかけで、学校内で秘密のセックスカウンセラーとしてお小遣い稼ぎをする、というのが簡単なあらすじ。
確かにちょっと刺激的なシーンも多くてドキッとする場面もありますが、性の悩みから派生して、それこそジェンダー問題、差別、貧困問題など、今の社会問題がしっかりと反映されていますよね。性の問題だけでなく、人間関係や今自分の置かれている立場に悩んでいるティーンにも観てもらいたいです!
ユリ:ドキュメンタリーも秀逸なものが多いから迷っちゃいますよね……。
まめぞう:テイラー・スウィフトの『ミス・アメリカーナ』すっごく良かったです!
基本的には最新アルバムの制作舞台裏を扱ったドキュメンタリー。
その中の曲、「Only The Young」のエピソードが印象的。2018年アメリカの中間選挙を受けてできた曲なんです。
テイラー・スウィフトってこれまで政治的発言を行なってこなかったんですが、はじめて若者に選挙に行くように呼びかけたんです。
テイラーのいるカントリー界では政治的な発信や呼びかけはタブー。非難覚悟で発言をしたら若者の政治的関心を集め、投票率を上げることができた。
アイコニックな女性歌手の知られざる一面を観れたのは、Netflixのドキュメンタリーならではなのかな、と思いました。
えんど:今日でまた観たい作品増えちゃいましたね。
まめぞう:おすすめしたいアニメもあるんです。
ユリ:今回おすすめしてもらった作品を観て、また語らいましょう!
次はオフラインで感想会やりたいですね……!