【前編】肌年齢22歳、実年齢46歳の医師・日比野佐和子さん。若さを保つ「習慣」に密着。
撮影・清水朝子 スタイリング・程野祐子 ヘア&メイク・遠藤芹菜 文・矢沢美香(STRIPE)
「30代の頃より今のほうが健康的。シミやたるみとも無縁です。42歳の時、1年で15㎏も体重が減りました。若い頃は、ダイエットにさんざん苦労してきたというのに(笑)」
と語る日比野佐和子さん。
半年前にロボスキンという肌解析マシンで測定した肌年齢はなんと22歳! ハリに満ちた血色のいいツヤ肌は、とても46歳には見えない。その若々しさは一体どこから?
「『アンチエイジングの専門医だから、最新の医療を駆使しているのでしょう?』と言われることも多いのですが、忙しすぎて自分のケアにはほとんど時間をかけられなくて。私が現在実践しているのは特別なケアではなく、普段の生活の中でできることばかりです」
実は日比野さん、31歳で渡米した時、2年で17㎏も体重が増加。その後ハードな糖質制限で一時痩せたが、体調を崩したのでダイエットを中止。するとまたリバウンドし、40歳以降は丸い体とくすんだ肌だった。
「朝昼は抜き、夜にドカンと食べるような生活で、スナック菓子や揚げ物もたくさん食べていました。でも4年前に一念発起して、食・運動・睡眠の生活習慣を徹底的に見直しました。食事は手作り、1日15分のストレッチ、夜はリラックスタイムを必ず持つ。この3要素を生活に取り入れたのです」
効果はてきめんだった。
「体調が劇的によくなり、血色のよい明るい肌になりました。小さなことでも、日々の積み重ね。〝習慣力〟で人は若返ることができるのです」
1日5食、すべて手作り。 朝昼夕の比率は5:3:2が日比野流。
日比野さんの若々しさの一番の秘訣は食事にある。朝昼夕の手作りごはんに、午前と午後の2回の間食を加えた1日5食を徹底。
「2〜3時間おきに食べるのは、〝ゆるやか血糖値〟をキープするためです。空腹のまま食事をすると血糖値が一気に上昇し、インスリンが大量に分泌されます。そしてエネルギーとして消費されなかった糖は脂肪細胞に蓄えられてしまいます。そこで私は間食で小腹を満たし、血糖値を急激に上げないよう心がけています」
間食は少量のナッツや玄米グラノラ、ヨーグルトなどが多い。
「ナッツは抗酸化力が高く、美肌のためのビタミンB群やビタミンEをはじめ、代謝を高める不飽和脂肪酸やミネラル、食物繊維が豊富なので重宝します」
食事量の割合は朝5:昼3:夕2が目安。基礎代謝を上げるために朝ごはんはしっかり食べるようにしている。
「毎朝卵2つは食べますね。卵に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンは体内に入るとセロトニンになり、15時間後に睡眠ホルモンのメラトニンに変わります。良質な睡眠を得るためにも、朝の卵は欠かせません」
昼食はサンドイッチやカレーが多い。主食は白米や小麦粉は避け、血糖値を上げにくい食物繊維豊富な玄米や胚芽米、全粒粉のパンだ。
「スパイスの効いたカレーはアンチエイジングに効果的なスーパーフード。ターメリック(ウコン)の色素の成分であるクルクミンは肝機能を高め、コレステロール値を下げる効果があります。私は週4回はカレーを食べてます」
そして夕食はほとんどサラダだ。
「夜は炭水化物はとりません。サラダ中心の軽い食事を極力、20時までに食べるようにしています」
朝昼夕を問わず、日比野さんの食卓に頻繁に登場するのは舞茸と「リコピン人参こいくれない」だ。
「舞茸は免疫力を上げるβグルカンや、腸内の善玉菌のえさになる水溶性食物繊維が豊富なので、よく食べます」
「リコピン人参こいくれない」は、一般的な人参よりもリコピンが多く含まれるよう開発された機能性野菜。
「抗酸化作用の高いリコピンは血流をよくし、コラーゲンの生成をサポートします。私はこの人参を食べるようになってから体調がよくなりました。いつも34.9℃だった体温は36℃に。肌のくすみが消えて血色がよくなり、ハリ、ツヤもアップしてきたのです」
味付けは塩でシンプルに、が信条。1週間の食事をぜひ参考にしたい。
『クロワッサン』944号より
●日比野佐和子さん 医師/Rサイエンスクリニック広尾院長、医学博士。日本抗加齢医学会専門医。著書に『習慣力で若返る』(世界文化社)。血管年齢30歳、骨年齢24歳と体の中も若々しい!
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