松本明子さんとお金の話
「子どもの頃から、節約家でした」
普段の生活にはお金をかけず、 人のためには惜しみなく使います
日本テレビ系情報番組『ヒルナンデス!』内の企画、「ドケチ隊が行く!」で披露するドケチぶりや、自身で編み出したユニークな節約術がすごすぎる、と話題の松本明子さん。その金銭観について、根ほり葉ほり聞いてみた。まずはずばり、ケチですか?
「ケチ……ですね(笑)。祖母や母がとにかく節約家で締まり屋だったので、その影響で、節約の習慣が染みついているのかもしれません」
幼少時から15歳で上京するまで、おこづかいは常にゼロ。母が実践していたお金の管理法は子ども相手とは思えないほど、徹底したものだった。
「月々いくら、という決まったおこづかいはなく、必要経費を申請する方式でしたね。たとえば、消しゴムが欲しければ、口頭で申請してその代金をもらい、手作りの領収書に〝何月何日、松本明子、消しゴム代50円〟と書いて、拇印を押す。いま思うとなんだか会社みたいなシステムですね(笑)」
手元に自由になるお金があるとどうしてもどんぶり勘定になってしまう、という母の教えを守り、現在の松本さんの家計管理も、ベースはこのやり方を引き継いでいる。
「さすがに領収書は発行していませんが、夫や息子には必要なときに必要な分だけお金を渡し、レシートを提出してもらっています。我が家ではこれが当たり前になっているので、家族も不満なく協力してくれています」
自分にはお金をかけず、人のためには惜しまない主義。
撮影場所に私服で現れ、開口一番「夫のTシャツを着てきちゃった(笑)」と松本さん。洋服は、家族内で着まわすのが日常茶飯事だ。
「夫と息子の服は基本的に兼用。息子が小さい頃は、私の若いときのTシャツを着せていましたし、逆に、息子が昔はいていた靴やデニムをいま、私がはいていたりします。うちは家族内ローテーションが激しいんです(笑)」
私服を買うことはめったになく、「10年選手が主流」だ。
「それを見かねて、周りの方がいろいろプレゼントしてくれるのでありがたいです。長年愛用しているブラジャーが破れてしまったときも、お気に入りだからと使い続けていたんです。そしたらマネージャーがさすがにそれは……、と新しいものを買ってくれました」
けれど、財布の紐は常に固いのかと言えばそうではなく、「人のためには惜しみなく使う」がモットーだそう。
「知人の舞台の差し入れや大切な人への贈り物には奮発しますし、大勢で家に遊びにくる息子の友だちがみんなで座れるようにと、自宅のソファを買い換えたこともあります。普段の節約は、ここぞというとき、人のための出費をケチらないためかもしれませんね」
だからこそ、財布の中の現金は5000円以下、クレジットカードは持ち歩かない、分割払いはしない、衝動買いも2000円まで、とお金にまつわるマイルールは徹底している。
さらに、自ら節約術を編み出すのも得意だ。
「ゴーヤの自家栽培は5年ほど続けています。ホームセンターで200円くらいの苗を3つ買って5月に植えると、7月から9月にかけて100本弱収穫できます。食費が浮くのはもちろん、日差しよけになるので夏もクーラーいらず。電気代も節約でき、しかもゴーヤは体にもいい! いいことずくめです」
人から教わったり、自分で考えたりして作った節約グッズも山ほどある。
「着古したセーターをほどいて編んだアクリルたわしは、油汚れを落とすのに大活躍。使用済みのティーバッグはフライパンや食器の汚れを拭った後にこれで仕上げると、洗剤なしでもきれいになります。新聞紙を脚の形にして伝線したストッキングをかぶせ、リボンで結んだものはブーツスタンド。湿気取りにもなりますよ」
節約グッズといって辛気臭くするのではなく、見た目にもひと工夫して可愛く仕上げるのが松本さん流だ。
「節約のため、というよりは、単純に楽しんじゃってますね。あれこれ考えたり、作ったりするのも楽しいですし、エコにもなる。苦なくやっているから、続けられるんでしょうね」