切り絵作家の福井利佐さんが、いい睡眠のために準備していること。
撮影・清水朝子 文・喜多川美穂
神棚を閉めるのが合図。気持ちが整い、スムーズに寝る準備が整います。
仕事場と住居が同じ場所だと、気が休まらないという声も多いが、
「家を建てるときに、1階をアトリエに、2階と3階を住居にして空間を分けたんです」という福井利佐さん。
一軒家でも、仕事の場と生活の場をきっちり区別して、アトリエは無機質なモノトーン、住居は木調と雰囲気も変えることで、オン・オフの切り替えがしやすくなったという。さらに、1階から2階へとつながる階段に本棚を設け、そこに神棚をまつることにした。
「夫が神道系の高校に通っていたのと実家にも設置してあったこともあり、“神棚を飾りたい”ということに。それで階段の途中に置いたところ、これが大正解! 気持ちが整うんです。夜、神棚を閉めて戸締まりをちゃんとしたら、さあ寝ようという気分になります。家族を守るのと同時に商売の神様的な役割もあるので、毎日21時ごろ、決まった時刻に神棚を閉めることは、店じまいをするという意味でもありますね」
一方、アーティストという仕事柄、アトリエに籠っていることも多く、たまに仕事で外出して帰ってくるとぐったりすることもしばしばだった。
「今年の1月、子どもと遊んでいたときにねん挫したんです。お医者さんから身体を鍛えてくださいと言われたので、反省して、寝る前にスクワットを行うようになりました。身体がすっきりして体幹もしっかりしてきた感はありますね。ぐっすり眠れるので、翌朝、あまりバタバタしなくなりました。下の子を出産してからやめていた朝ヨガも、再開しました」
ただ、いつも家族と一緒に寝ているので、一人になると眠れないそうで。
「出張先では寂しいので、テレビをつけたまま寝たり(笑)。授乳期には、あんなに寝られなくてつらかったというのに、いまは、子どもがそばにいると安心して眠れるんですよ」
福井利佐(ふくい・りさ)●切り絵作家。繊細かつ大胆な切り絵で注目を集める。国内外での個展、書籍の装丁や映像制作、アパレルとのコラボなどでも活躍中。
『クロワッサン』977号より
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