ネット被害に遭わない、個人情報の上手な管理法。
撮影・尾嶝 太 編集、文・嶌 陽子
スマホを使う上で、常に念頭に置きたいのが、紛失や盗難、あるいはインターネットウィルスなどによって連絡先、写真、クレジットカード番号といった個人情報が流出してしまうリスクだ。千葉県浦安市のパソコン教室で、初心者向けにスマホの講座を開いている増田由紀さんは、こう話す。
「パスワード管理などの初歩的な対策はもちろん、アプリのダウンロードやSNSへの投稿など、ふだんの何げない行為にも、注意が必要です」
最低限の対策を講じておかないと、自分だけでなく、登録してある友人知人の情報も流出するなど、周囲に迷惑をかける可能性もある。
「大切なのは、常に自分が操作の主導権を握ること。ネットやアプリ上で目にする様々な誘導に安易に流されず、落ち着いて考える癖をつけましょう」
1. 最低限しておきたい、スマホの“たしなみ”。
スマホを購入したら、まっ先にしたいのが、本体のパスワード設定。「万が一、紛失や盗難によってスマホが他人の手に渡った場合も、パスワードでロックをかけておけば、他人に見られずにすみます」(増田さん)。また、時々通知が表れるOS(基本ソフト)のアップデートも、面倒だからと後回しにせず、すぐに実行しよう。「OSのアップデートは、スマホのセキュリティを今よりさらに高めることにもなるのです」
2. 増えていくパスワード、賢い管理法は?
スマホ本体や、アプリのダウンロード時、ネットショッピングなどに必要なパスワードは、他人に知られない工夫が必要だ。「同じものを使い回すのはNG。万が一ひとつ知られたら、芋づる式に全て知られてしまいます。せめて基本のものは同じでも、そこに別の文字や数字を足して別パターンにしてみて」。パスワードを覚えきれない場合は、専用のノートにまとめて書き留め、スマホとは別の場所に保管。「大文字と小文字の区別もつくように書きましょう」
3. 自衛策を取れば、ネットショッピングも安心。
便利な一方、口座やクレジットカードの情報が流出してしまう心配もあるネットショッピング。「ネットショッピング専用のクレジットカードや銀行口座をつくり、その口座には少額しか入れておかないというのも、自衛手段のひとつです」。また、初めての場合、いきなり素性の知れない個人商店で買い物をするのは不安な面も。「最初に大手デパートや実店舗もある店の通販サイトを利用して、そこで一度、買い物の全体の流れを体験してみましょう」