【リユース/和文化編】歳を重ねるほど荷物は軽く。ものを減らすコツ、教えます
撮影・中島慶子
リユース
再利用は、ものを大事に使う日本人特有のライフハック
ものを捨てることに罪悪感があったり、買った時の金額を思うともったいないと思ったり。そんな人は“売る”という選択も。
「鎌倉時代から質屋はあり、1990年代にはオークションサイトで個人間の売買も行われていましたが、リユースが一気に身近になったのは2010年代にフリマアプリが台頭してから。今や賢く地球にやさしい手段の一つといえます。有名百貨店独自の買い取りサービスも始まり、大人の女性にとっても足を踏み入れやすい市場になったと思います」
ごみにする前に要確認。実は高く売れるものも
近年、価格高騰が続いている金は、今が売りどきといえるものの一つ。
「インゴットに限らず、金なら何でも高額です。買い取り後に精錬工場で不純物を取り除くので、金歯でも売れます」(瀬川さん)
昔は二束三文のイメージが強かったアナログレコードも、世界的に人気のあるジャンル、シティポップやアニメ主題歌は高額に。
「カメラならフィルム式や初期のコンパクトデジタルカメラなど現在作られていないものは、ビンテージ的な価値がつきます。またハイブランドの製品は、欧州ではアパレル廃棄の規制により量産せず一個の価値を上げる流れになっているため、新品は高額かつ点数が少ないことから中古価値が上がっています」
世界中から視線集中、日本製品の魅力
日本の中古品は海外での評価が高く、それを目的として来日する人もいるという。
「日本人は昔からものを大事に使うので保存状態がいいし、偽造品も少ない。安心して買えるというのが一番の理由です」(瀬川さん)
現在、大手総合リユースショップチェーンは海外への出店を増やしており、日本で買い取られた中古品も世界各国で売られている。
「“こんなものは売れないだろう、需要はないだろう”と思うものでも、海外から欲しがる人がいて、買い取ってもらえることがあります」
国をまたぐと価値も変わる。ユーズド・イン・ジャパンへの注目は今後も続きそうだ。
和文化
捨てにくい日本人形や着物……。心に負担なく手放すには
ごみとして廃棄するには抵抗感がある日本の伝統的なもの。いつまでも手放せないことで物理的にも心理的にもスペースを取られていると感じる人はいるだろう。
「たとえば雛人形や鯉のぼりなどの子どもの成長を祝うためのものは、いつまで飾りたいのか、自分なりに納得できる区切りを決めておくと『ありがとう』の感謝の思いを込めて手放せます。処分するにはさまざまな方法がありますが、気持ちに沿ったやり方を選んでみてください」
人に譲ったりリメイクするのもおすすめだ。
「着物は時代を超えて着られるので、必要としている人に着てもらうのが一番。処分する前にまずは親族や着物好きな知人などに声をかけてみてはいかがでしょう。ほどいて布地にして小物にリメイクしてもいいですね」
雛人形や鯉のぼりなどの処分方法、タイミングは?
「雛人形や五月人形、鎧兜、鯉のぼりには、その子の魂が宿るという考えがあるため、そのまま処分するのに抵抗がある場合、人形供養をするとよいでしょう。神社やお寺で人形に宿った魂を抜いて供養することで、その人形はただのものに還り、使命を終わらせることができるという考え方です」
実施している社寺を探して直接持ち込むか送付、または代行サービスを利用する方法もある。費用目安は3,000円~1万円程度。
「人に譲るのも、ニーズが合えば有効な手段です。ものが引き受けた災厄も移してしまうという意見もありますが、互いの考えが一致しているなら差し支えありません。気になる人は人形供養をしてから譲るとよいでしょう」
寄贈をしたい場合は、自治体や施設、団体へ事前に問い合わせをしてから。
破魔矢やお守り、絵馬などの縁起物は“お焚き上げ”を
「お焚き上げとは、神仏に関係あるもの、大切にしてきたものを手放す際に、感謝を込めて神社やお寺で供養・焼却することをいいます。境内に設置されている『納札所』や『古札納所』などに返納すれば、後日お焚き上げされます。基本的には授かった社寺に返納しますが、遠方に住んでいるなどで難しい場合には、神社で授かったものは神社へ、お寺で授かったものはお寺へ返納するといいでしょう」(三浦さん)
ごみとして出すこともできる。その場合は自治体のルールに従って分別を。
「そのままごみに出すのは心苦しいという方は、塩をふって清めたり、半紙など白い紙に包んだり、ほかのごみとは別の袋に入れたりすると、感謝の気持ちが表せます」
『クロワッサン』1158号より
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