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映画『モディリアーニ!』──芸術家の人生を変えた狂気と情熱の3日間

戦時下のパリで、才能に溢れながら批評家に認められず、くすぶっていたモディリアーニ。キャリアを捨てるか否か、ある賭けに出るのだが……。監督:ジョニー・デップ 出演:リッカルド・スカマルチョ、アントニア・デスプラ、アル・パチーノ 東京・TOHOシネマズ シャンテほかで全国公開中。

文・兵藤育子

映画『モディリアーニ!』──芸術家の人生を変えた狂気と情熱の3日間

画家や彫刻家としてパリで活動した、イタリア人芸術家アメデオ・モディリアーニ。その生涯は短く、35歳の若さでこの世を去っている。モディリアーニの伝記映画といえば、名匠ジャック・ベッケル監督の『モンパルナスの灯』があるが、ジョニー・デップが監督を務めた本作は、一般的な伝記映画とは少々趣向が異なる。モディリアーニの人生を大きく動かすことになる、3日間を切り取りながら、芸術家としての葛藤を描いた普遍的な物語といえるだろう。

批評家で、モディリアーニの絵のモデルもしていた、ベアトリス。対等に語り合える同志のような関係だった
批評家で、モディリアーニの絵のモデルもしていた、ベアトリス。対等に語り合える同志のような関係だった

1916年、第一次世界大戦下の荒廃するパリで、放浪の芸術家・モディリアーニは、作品が売れないどころか、とある事件を起こして警察から逃げ回っていた。芸術家をやめてパリを離れることも考えるが、同じく退廃的な画家仲間や、自身のミューズ的存在であるベアトリス・ヘイスティングスに引き止められ、画商の友人レオポルド・ズボロフスキに助言を求める。一方で幻覚に悩まされていた彼は、著名なアメリカ人コレクターと会い、自分の作品を売り込もうと躍起になる──。モディリアーニを演じるのは、『ローマでアモーレ』『名探偵ポアロ ベネチアの亡霊』などに出演する、リッカルド・スカマルチョ。デップは彼の写真を初めて見たとき、破天荒な逸話を持つイギリス人俳優オリヴァー・リードや、イタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニに通じる魅力を感じたそう。モディリアーニの奔放な生き様や、自由を愛する精神、創造せずにはいられない魂に、今回はカメラの後ろで息を潜めている、デップの姿を重ね合わせてしまう人も多いのではないだろうか。

現代に生きる私たちは、生前ほとんど見向きもされなかった彼の絵が、とてつもない価値になっていることを知っている。あと数年で、彼の命が尽きてしまうことも。自分や他人を傷つけ、命を削りながらも、作ることしかできなかった芸術家の生々しい72時間が刻まれている。

ココが見どころ!

(c)Modi Productions Limited 2024
(c)Modi Productions Limited 2024

そもそも本作の監督を務める予定だったのはアル・パチーノで、1997年に『フェイク』でジョニー・デップと共演した際、彼に主演を打診している。しかしながら当時は実現に至らず、20年後の2017年、ふたりの間で再びこの話が浮上。パチーノはデップが監督をすべきだと提案し、1997年の『ブレイブ』以来、メガホンを取ることに。アメリカ人コレクター、モーリス・ガニャをパチーノが演じ、後半の重要な場面で登場している。

『クロワッサン』1158号より

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