かんたんスモーク──松田美智子の「くらしの歳時記」
古くから伝わる習慣やしつらい、暮らしの知恵。松田美智子さんが取り入れている“歳時記”を紹介します。今回は「スモーク」。
撮影・鍋島徳恭
中華鍋と中国茶で簡単にほったらかしスモークです
燻製された食品は、独特の香りだけでなくうま味も凝縮されるので、箸が進みます。燻製はアウトドアで行うものというイメージがありますが、テラスやお庭で簡単に燻製ができます。
燻製器などなくても軽い燻製なら、中華鍋と餅網、蓋があればOK。燻すと、食材の余分な水分が抜けるために、うま味が凝縮されるのですが、殺菌効果も高まって保存にも適しますし、なにより調理中の香りも食欲を誘って楽しめます。スモークチップは桜の木や中国茶など、いろいろ試してみましたが、香りのよいジャスミン茶に落ち着きました。塩味のない食材は、事前に塩分を少し入れると、水分がいい具合に抜けて味がよくなります。チーズや干物はそのまま燻します。
最近では天然塩や粒胡椒から、にわかいぶりがっこ風に沢庵も燻します。年末から年始の来客のおつまみに、チーズとゆで卵と鶏胸肉のスモークは我が家の定番です。あっという間にできる燻製、お試しください。
お米と砂糖が風味のよさの秘訣です
鶏胸肉小さめ1枚は魚醤大さじ1、白ワイン大さじ2、おろしにんにく小さじ1/2、白胡椒少々と合わせて15分おく。牡蠣3粒は洗って塩小さじ1/2、白ワイン大さじ1と合わせ、15分おく。それぞれ水気を押さえる。ゆで卵3個は殻を剥き塩少々をふる。好みのハードチーズ適量は塊で。中華鍋にアルミホイルを敷き、米20g、三温糖20g、ジャスミン茶2gを混ぜ合わせて敷きつめる。中華鍋の底から3分の2くらいの高さにくるように餅網を設置する。蓋をして中火で熱し、煙が上がったら食材を並べて再び蓋をし、牡蠣とチーズは約5分、ゆで卵と鶏肉は約10分燻す。
『クロワッサン』1155号より
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