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ホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんがおすすめする“絶景”の宿3選──いま泊まりたい、くつろぎの宿

青い海、山、広々と抜けた空。非日常感たっぷりの景色が広がり、圧倒されるような美しい宿をホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんに教えてもらいました。

撮影・福田喜一(ホテルグランバッハ 熱海クレッシェンド)、白木世志一(ガーデンテラス長崎 ホテル&リゾート) 文・一寸木芳枝

【推薦者】せきねきょうこさん
ホテルジャーナリスト
1994年から始めたホテル旅で訪れた国は89カ国。海外のみならず、国内のホテルや旅館にも精通し、近年は宿泊施設のプロデュースやアドバイザーを務める。

せきねきょうこさんに聞いた、大人が心地よい宿の条件って?
もてなしの心と、行き届いたサービスがあること──「ホテルは従業員も客も含めて“人”が作るもの。気になる宿には事前に電話してみるのも手。問いのひとつにも丁寧に対応してくれ、最後に『ぜひお待ちしています』との一言のある宿には真摯な歓迎の気持ちが表れています」

ホテルグランバッハ 熱海クレッシェンド(静岡県・熱海市)

写真は、客室棟入り口に設けられた2階展望スペース。せきねさんのお気に入りの場所のひとつ
写真は、客室棟入り口に設けられた2階展望スペース。せきねさんのお気に入りの場所のひとつ

東京駅から1時間で出合える、海と山の絶景

「急勾配の坂道に連なる住宅街を横目に、伊豆山の頂上に向かってぐんぐん登るタクシーの車内から、もうワクワクが止まりません。あの景色を早く見たい、と胸が高鳴るんです」

年間100泊以上をホテルで過ごす、せきねきょうこさん。そんな彼女を高揚させる絶景が広がるのは、熱海駅から約15分、標高361mの高台に位置する〈ホテルグランバッハ熱海クレッシェンド〉だ。

「ロビーに一歩踏み入れた瞬間、目に飛び込んでくる相模湾と伊豆半島の大パノラマ。眼下には熱海の街並みが広がる唯一無二の眺望は、何度訪れても言葉を失います」

ロビーから続く広々としたテラスへと出れば、海と空が溶け合った青の世界と山の緑が生み出す鮮やかなコントラストを、より肌で感じることができる。

「こちらが素晴らしいのは、このビューを館内のどこからでも望めること。1泊目はロビーやレストラン、バーなど館内のあちこちで過ごし、思う存分、絶景を堪能。2泊目はお部屋を中心に、絶景の気配を感じながら、静かにゆっくり寛ぐ。これがおすすめの過ごし方です」

地下790mから汲み上げる自家源泉はカルシウム硫酸塩温泉。鎮静効果ほか、美肌効果も期待できる。写真の大浴場に加え、全16室のゲストルームにもビューバス、露天風呂が
地下790mから汲み上げる自家源泉はカルシウム硫酸塩温泉。鎮静効果ほか、美肌効果も期待できる。写真の大浴場に加え、全16室のゲストルームにもビューバス、露天風呂が
ピアノの生演奏を聴きながら絶景を愛でるレストラン『風雅』
ピアノの生演奏を聴きながら絶景を愛でるレストラン『風雅』
地下790mから汲み上げる自家源泉はカルシウム硫酸塩温泉。鎮静効果ほか、美肌効果も期待できる。写真の大浴場に加え、全16室のゲストルームにもビューバス、露天風呂が
ピアノの生演奏を聴きながら絶景を愛でるレストラン『風雅』
ガラス張りの窓が2階まで続く吹き抜けのロビー
ガラス張りの窓が2階まで続く吹き抜けのロビー
打ち上げ花火を見下ろす特等席を備えたバー&ラウンジ『マグダレーナ』。花火大会開催時の宿泊予約はお早めに
打ち上げ花火を見下ろす特等席を備えたバー&ラウンジ『マグダレーナ』。花火大会開催時の宿泊予約はお早めに
季節ごとに変化する相模湾や駿河湾で獲れる海の幸をはじめ、地元の旬の食材をふんだんに使った本格フレンチ、”熱海キュイジーヌ”も滞在時の楽しみ
季節ごとに変化する相模湾や駿河湾で獲れる海の幸をはじめ、地元の旬の食材をふんだんに使った本格フレンチ、”熱海キュイジーヌ”も滞在時の楽しみ
ガラス張りの窓が2階まで続く吹き抜けのロビー
打ち上げ花火を見下ろす特等席を備えたバー&ラウンジ『マグダレーナ』。花火大会開催時の宿泊予約はお早めに
季節ごとに変化する相模湾や駿河湾で獲れる海の幸をはじめ、地元の旬の食材をふんだんに使った本格フレンチ、”熱海キュイジーヌ”も滞在時の楽しみ

静岡県熱海市伊豆山1048-4 TEL:0557-82-1717 ビューバス温泉付きツイン・ハリウッドツイン1泊1名5万250円〜(2名1室利用時、夕朝食付き)。https://www.grandbach.co.jp/atami/ 2024年8月リニューアル。

ホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんがおすすめする“絶景”の宿3選──いま泊まりたい、くつろぎの宿

ガーデンテラス長崎 ホテル&リゾート(長崎県・長崎市)

全長20mのインフィニティプール。24時までオープンし、ジャグジーから夜景を眺めることも可
全長20mのインフィニティプール。24時までオープンし、ジャグジーから夜景を眺めることも可

海が見せる昼と夜、ふたつの顔

九州は毎年訪れ、長崎は今年すでに3回訪れているせきねさん。お気に入りのステイ先に挙げてくれた〈ガーデンテラス長崎ホテル&リゾート〉の魅力は、夜景だ。

「絶景というと日中をイメージするかもしれませんが、夜の海も素晴らしいのが長崎。稲佐山の中腹にあるこのホテルは、長崎港とその向こうの斜面に立ち並ぶ家やビルの明かりが広がり、夜景が立体的に浮かび上がるよう。モナコ、上海と並ぶ世界新三大夜景に選定されているのも、納得です」

広大な敷地にはタイプの異なる複数の棟が点在するが、夜景を望む最高の場所は、「VIEW TERRACE」にある宿泊者専用の屋外インフィニティプール。日没以降、刻々と変わるドラマティックな空に深い青をたたえた海、プールが溶け合うように繋がり、幻想的な世界が広がっていく。

「歴史ある街並みの昼の姿とのギャップがまた、ぐっときます」

建築家・隈研吾が設計、デザインを担当し、2023年にリニューアル。異なる大きさの窓から差し込む光がフロアに動きをもたらすロビーなど、建築秘話とともに世界観を体験できる見学ツアーもあり
建築家・隈研吾が設計、デザインを担当し、2023年にリニューアル。異なる大きさの窓から差し込む光がフロアに動きをもたらすロビーなど、建築秘話とともに世界観を体験できる見学ツアーもあり
テラスを備えたオーシャンスイートの客室からは、長崎港を一望
テラスを備えたオーシャンスイートの客室からは、長崎港を一望
バスルームからも夜景を望む
バスルームからも夜景を望む
建築家・隈研吾が設計、デザインを担当し、2023年にリニューアル。異なる大きさの窓から差し込む光がフロアに動きをもたらすロビーなど、建築秘話とともに世界観を体験できる見学ツアーもあり
テラスを備えたオーシャンスイートの客室からは、長崎港を一望
バスルームからも夜景を望む

長崎市秋月町2-3 TEL:095-864-7777 ガーデンスイート1泊1名1万9120円〜(2名1室利用時、朝食付き)。https://www.gt-nagasaki.jp/ 鮨、創作フレンチ、鉄板焼きなど5つのレストランを備え、オールインクルーシブプランも。

ホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんがおすすめする“絶景”の宿3選──いま泊まりたい、くつろぎの宿

伝泊 The Beachfront MIJORA(鹿児島県・奄美市)

エクスクルーシブ スイート ヴィラ(メゾネット)は限定1室のスイート。ベッドに寝転べば海との一体感を味わえる
エクスクルーシブ スイート ヴィラ(メゾネット)は限定1室のスイート。ベッドに寝転べば海との一体感を味わえる

奄美ブルーの海と対話する部屋

31年間、ホテルジャーナリストとして活動するせきねさんだが、客室で一日中ゴロゴロ過ごした経験は一度もないのだそう(!)。

「実はそれが密かな夢(笑)。そして、その夢を叶えるなら、〈伝泊 The Beachfront MIJORA〉がいいと思っています」

せきねさんが挙げたのは、奄美大島の手付かずの大自然や地元の人々の温かさに触れることで自分を取り戻す、そんな感覚を大切にするリトリートのための宿泊施設〈伝泊〉のひとつだ。

「オーナーの想いに触れ、その理想や土地の理解を深めることも旅の醍醐味。ここは、奄美の海を愛し、海に生きる建築家・山下保博さんの想いが随所に見て取れます」

洗練されたミニマルな空間に身を置き、日の出から日没まで海を眺め、波音に耳を傾ける。星空の下、自然と一体となって眠りにつく。

「都会では得られない本当の休息を得られる島の宿です」

“伝泊”の名前は、奄美大島の伝統や伝説を次世代に伝えていきたい、という想いに由来。目の前にビーチの広がるヴィラはここならでは。
“伝泊”の名前は、奄美大島の伝統や伝説を次世代に伝えていきたい、という想いに由来。目の前にビーチの広がるヴィラはここならでは。
朝食は隣接したレストラン『2 waters』でも、部屋へのデリバリーでも楽しめる。夕食は食材セットを利用して、部屋のキッチンで自ら調理するのもいい。
朝食は隣接したレストラン『2 waters』でも、部屋へのデリバリーでも楽しめる。夕食は食材セットを利用して、部屋のキッチンで自ら調理するのもいい。
“伝泊”の名前は、奄美大島の伝統や伝説を次世代に伝えていきたい、という想いに由来。目の前にビーチの広がるヴィラはここならでは。
朝食は隣接したレストラン『2 waters』でも、部屋へのデリバリーでも楽しめる。夕食は食材セットを利用して、部屋のキッチンで自ら調理するのもいい。

鹿児島県奄美市笠利町大字外金久亀崎986-1 TEL:0997-63-1910 エクスクルーシブ スイート ヴィラ・クィーンベッド1泊1名2万7100円〜(2名1室利用時、朝食付き)。https://den-paku.com/ 奄美大島は2021年、世界自然遺産に登録。

ホテルジャーナリスト・せきねきょうこさんがおすすめする“絶景”の宿3選──いま泊まりたい、くつろぎの宿
*紹介している宿泊料金は2025年7月現在のものです。また、サービス料、宿泊税、入湯税などが別途かかる場合があります。

『クロワッサン』1148号より

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