【学校編】3世代で挑む2週間のセブ留学。1歳児からシニアまで英語漬けの語学学校体験
撮影・文 岡のぞみ
今回、私たちが通ったのはセブの中でも治安が良いリゾートエリア、マクタン島にある語学学校「First English Global College」(ファーストイングリッシュグローバルカレッジ)。選んだ決め手は、親子で安心して過ごせる環境が整っていることでした。
まず、1歳児の受け入れが可能でベビーシッターを手配してもらえることが大前提。滞在先のコンドミニアムは清潔でキッチン付き、プールも完備されており、徒歩圏内に海もあります。学校まで徒歩数分というのも安心でした。
この学校では親子留学にも力を入れており、1〜3歳はベビーシッター利用、4歳以上は学校でレッスン受講が可能。中学生以上なら単身での留学も受け入れています。授業は完全マンツーマン制で、年齢やレベル、目的に合わせてレッスンをカスタマイズできるのも特徴。日本人スタッフが常駐しているので、レッスン内容や現地での生活のことなど、相談できるのも良かったです。予想外に嬉しかったのが、学校で朝食を提供していること。次の記事で紹介しますが、野菜が手に入りづらかったので、サラダやフルーツなどを朝食でいただけるのは非常に助かりました。
目的別に学べるレッスン
小学2年生(8歳)の長男と小学6年生(11歳)の姪が受講したのは、1日6コマのキッズコース。
「とにかく楽しんで学んで欲しい」という思いから、文法やスピーキングといった基礎的なレッスンだけでなく、遊びの要素を取り入れながら、英語に触れられる“ART&MUSIC”といったレッスンも選びました。折り紙を使って動物を作りながら名前を覚えたり、歌を通してリズム良く単語を身につけたりと、子どもたちもリラックスしながらレッスンを受講できていたように思います。「今日はこれ作った!」「アルファベット書けるようになった!」と嬉しそうに話す様子や、毎日壁にカラフルな作品が増えていくのが微笑ましかったです。
大人は、集中力が続きやすい時間帯に絞り、午前中のみのレッスンを選びました。私が受けたのは、日本語を瞬時に英訳するトレーニングや会話、発音など、実践的な内容ばかり。
マンツーマン授業でマイペースに学ぶ
授業はすべてマンツーマン。とはいえ、完全な個室ではなく、机が並ぶオープンスペースでレッスンが行われるため、適度にざわつきがあり、緊張しすぎずに学べます。
特に印象的だったのは、子どもたちが頑張る姿を間近で見られること。同じ空間でレッスンを受けるため、親としても安心ですし、子どもたちにとっても「一緒に学んでいる」という一体感が生まれます。
先生は全員フィリピン人で、明るくフレンドリー。最初は緊張していた子どもたちも、あっという間に先生が大好きになりました。日本語を話せる先生はほとんどいないため、自然と「英語で伝えるしかない環境」になります。この“追い込まれる感じ”が、結果的に学習効果を高めてくれたと感じます。
1歳児はベビーシッターが自宅保育
次男(1歳10ヶ月)は平日の7時半から17時半まで、ベビーシッターと過ごしました。担当は英語を話せるフィリピン人女性。とても親切で素敵な人なのに、初めの3日間は人見知りで泣き続け、私が学校から戻ってからはずっとべったり。朝シッターさんが来ると大泣き……という状態で、学校にいても気が気でなかったです。途中からベテランのシッターさんが担当するようになってからは落ち着きました。
シッターさんは散歩やランチ中の様子を写真でこまめに送ってくれるので、どう過ごしているのか知ることができ安心感がありました。とても気遣いのできる人で、用意したパスタを食べなかったから、と次男におにぎりを作ってくれたり、片付けをしてくれたりと、家族みんながシッターさんに相当助けられました。また、やりとりは英語なので、親子ともに学校外でも自然と英語を使う機会が増えたのは思わぬ収穫でした。
英語以上に得るものが多かった留学生活
セブでの1日の流れ
07:00 起床
07:00 ベビーシッターとバトンタッチで登校。学校で朝食
08:00~12:00 レッスン
12:00 70代の母はコンドミニアムに戻りランチ。私と子どもたちは学校でランチ
13:00~15:00 子どもたちはレッスン。私も学校に残り仕事をする
15:30 帰宅。プールで遊ぶ
19:00 夕食
21:00 洗濯、勉強
22:00 就寝
久しぶりに学校に通った率直な感想は「8時間の仕事より4時間の勉強の方がしんどい」。午前授業だけでもこんなに疲れるのかと、毎日6時間勉強している子どもたちをあらためて尊敬。しかしながら、明るい先生たちとのコミュニケーションや学びは刺激的で、充実した日々でした。70代の母も、「全然単語が出てこない!」「何と言っているのか分からない!」と言いながらも先生たちとの会話を楽しんでいました。
子どもたちにとっては、さまざまな課題がありました。長男はレッスンの途中で「もう帰りたい」と泣きながら私の席に来ることもありましたし、「お腹が痛い」「気持ちが悪い」と学校を休んだ日もあります。レッスンは6コマありましたが、全て受講できたのは3〜4日ほど。大半は4〜5コマ受けたところで集中力の限界が訪れ早退することに。親としては、「お金も払ってるし、せっかくの機会だから最後までレッスンを受けて欲しい」という気持ちはもちろんありました。ただ、慣れない環境で英語を学ぶというのは、子どもにとって負担が大きいと考え、彼の意思を尊重しました。
一方、姪は1コマも休まず卒業しましたが、何度か「午前授業で十分」「疲れた」とぼやくことも。また、1週目は「恥ずかしい」と、なかなか積極的に英語を話すことができず。日本人スタッフに相談をし、スピーキングの機会を増やせるようレッスン内容を工夫してもらいました。
こうして迎えた2週間の語学学校生活は、想像以上に濃く、学びに満ちた時間でした。大人も子どもも、それぞれの課題に直面しながらも、スタッフや先生の助けを借りながら、一歩ずつ成長を感じられたのは大きな収穫です。母は子ども以上に歳の離れた先生と結婚感について話したり、長男は5歳上の友達と学校やプールで毎日のように遊んでいました。歳の差やバックグラウンド関係なく、すぐに仲良くなれるのも“セブ留学”という環境のおかげだと思います。そんなことを思いながら出席した卒業式では、子どもたちのスピーチやムービーを見て、思わず涙が出そうでした。「大変だったけど、来てよかった」そう思えた瞬間です。
次回は、コンドミニアムでの暮らしや、現地ならではの食事など、セブでの生活編をお届けします。
広告