アンペア数チェック、電力会社のプラン変更──まずは電気の基本料金に関わる“枠組み”の見直しを【光熱費を抑える知恵】
イラストレーション・寺山武士 文・保手濱奈美
アンペア数は同時に使用する分に応じて契約を
各家庭の電気の基本料金は、一度に使える電力の最大量である「契約アンペア数」によって原則決まっている。
「例えば、東京電力では30A(アンペア)で1カ月約935円。契約アンペア数が大きくなるほど、基本料金は上がります。契約アンペア数は、電力会社のサイトなどから確認や変更が可能です。下記を参考に、家庭内で同時に使用するアンペア数を計算して、現状の契約アンペア数が適切かどうかチェックしましょう。余剰がある場合は変更を。おおよそ10A単位で下げられ、その分月々の基本料金が削減できます」
ライフスタイルに適した 電力会社のプランに乗り換え
電気料金を抑えるには、電力会社の乗り換えを考えるのも一手。
「それにより電気料金が月1、000円以上安くなるケースがあります。『エネチェンジ』という電気・ガス料金の比較サイトを使って、複数の電力・ガス会社から、自宅の条件に合った節約額の大きいプランを探してみるといいでしょう。ただし、電力会社によって料金プランの算出方法が異なるため、基本料金や電力量料金単位だけの単純比較は避け、しっかりシミュレーションを。そのほか、電気とガスなどのセット割プランを活用する手もあり」
省エネ家電に買い替える
近年、消費電力を抑えた“省エネ家電”の性能がますますアップ。
「長年使っている家電を、最新の省エネタイプに買い替えると、電気料金の節約が期待できます。買い替えの目安となるのは、10年以上前に購入した家電かどうか。いまどきの家電と比べてとくに消費電力の差が大きいのが、左記に挙げた家電や照明。日常的に使うものなので、日々の積み重ねによる節電効果は大きいはず。これらが壊れてから慌てて買い替えるのではなく、その前にあらかじめ目星をつけておいて、お得なタイミングで買うのが賢明です」
自治体の補助金を調べて申請する
自宅で使っている家電を、省エネ性能の高い家電に買い替えると、自治体から補助金が支給されるという制度もあるので、利用しない手はない!
「例えば、東京都の『東京ゼロエミポイント』は、対象の家電に買い替えや新規購入をするとポイントがもらえて、そのまま値引きに使えます。エアコンで最大8万ポイント=8万円の値引きに。店舗で購入の際は、いま使っている家電の製造年がわかるものを持っていくといいでしょう。実施の有無は自治体によるので、ネットで『〇〇県 エアコン 補助金』などと調べてみて」
断熱工事や太陽光発電など節電目的の改修は要注意
節電のために、自宅を改修して断熱工事や太陽光発電を導入する選択肢もあるけれど、それぞれ気をつけておきたいポイントがあるという。
「断熱工事は、家を建てる時やリフォームのタイミングならよいと思いますが、光熱費削減のためだけなら、なかなか元が取れないかも。太陽光発電は、取り入れたことにより電気料金が相当安くなったとよく聞きます。ただ、数年ごとに義務づけられている定期メンテナンスが高額であったり、太陽光発電をやめる際は廃棄費用に数十万円かかったりと、デメリットもあるので慎重に検討を」
『クロワッサン』1146号より
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