等身大ヒロイン、ブリジット・ジョーンズが愛される理由「It Isn’t Perfect But It Might Be」(オリヴィア・ディーン)
高橋芳朗の暮らしのプレイリスト。今回は、ラブコメ映画の人気シリーズ第4弾にして完結編『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』の主題歌「It Isn't Perfect But It Might Be」(完璧ではないけれど、それがいいかも)。
文・高橋芳朗
ラブコメ映画の人気シリーズ第4弾にして完結編『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』が公開になりました。センセーショナルだった2001年の1作目から実に24年を経ての大団円です。
従来のラブコメディのセオリーを刷新するズボラな等身大ヒロインとして広く共感を集めたブリジットも、今回の新作ではいよいよアラフィフに突入。それでも彼女は相変わらずで、仕事に育児に一生懸命取り組みながらも盛大に失敗を繰り返しては自己嫌悪に陥っています。
そんなブリジットが世界中の人々の心をつかんで離さない理由を、長年彼女を演じてきたオスカー俳優のレネー・ゼルウィガーは「不完全だから」と分析していますが、これはイギリス人シンガーのオリヴィア・ディーンが歌う主題歌と見事に符合します。タイトルは「It Isn’t Perfect But It Might Be」(完璧ではないけれど、それがいいかも)。
「やるべきことは山ほどある。でも、一歩ずつ進んでいこう。ちょっともたついても許してくれる? 無理だと思っていたけど、やってみるわ。完璧じゃなくても、それがいいのかも。たとえ台無しにしてしまっても、なんとか乗り越えるよ」
ブリジットの魅力の本質を的確に捉えた、どこまでも優しくおおらかなメッセージ。思い通りにいかないことばかりの人生を、彼女は少しだけ楽にする手助けをしてくれたのかもしれません。
『クロワッサン』1142号より
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