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【友禅】京都で伝統文化にふれる特別な体験

千年の都で生まれ、人々の美意識に育まれ継承されてきたさまざまな伝統工芸や芸道。縁遠いと思っていた職人の技も、実際に手を動かして五感で楽しむことでぐっと身近に感じられる。深遠な日本文化の一端に触れ、京都滞在をさらに特別なものにしてくれるプログラムをご案内します。

撮影・西岡 潔 文・本庄 彩

【友禅】手描きで染め上げる絵画のような一枚。

江戸時代に京都の扇絵師・宮崎友禅斎によって確立された染色技法、友禅。絞りや刺繡などを禁じる「奢侈(しゃし)禁止令」が出され、そこに抵触しない模様染めが好評を博したという。後に石川・金沢や東京にも技術が伝わり、それぞれ加賀友禅、江戸友禅として独自に発展を遂げた。

生地には下絵が施され、線に沿って金粉を混ぜた糊で防染されている。その内側に好きな色をのせていく。最初に練習用のシンプルな図案で刷毛使いに慣れてから本番へ。藤の花など緻密な文様と向き合い、はみ出しや色むらが出ないよう没頭
生地には下絵が施され、線に沿って金粉を混ぜた糊で防染されている。その内側に好きな色をのせていく。最初に練習用のシンプルな図案で刷毛使いに慣れてから本番へ。藤の花など緻密な文様と向き合い、はみ出しや色むらが出ないよう没頭
生地は後日、蒸しや水元(水洗い)などの工程を経て縫製。完成した袱紗は2週間から1カ月後に自宅に郵送される
生地は後日、蒸しや水元(水洗い)などの工程を経て縫製。完成した袱紗は2週間から1カ月後に自宅に郵送される

発祥の地である京都で培われてきた京友禅の特徴は、四季折々の花鳥風月や有職文様を取り入れた風雅なデザイン。現在は振袖の約9割がインクジェットで染められており、手描き友禅は貴少な存在。こちらの工房では昔ながらの手法が受け継がれていて、職人愛用の道具で色絵付け体験ができ、袱紗(ふくさ)に仕上げてくれるのが魅力。コシの強い刷毛を用いて、目の詰まった丹後ちりめんに色をのせる。たおやかな色と意匠に引き込まれる、至福のひとときだ。

【友禅】京都で伝統文化にふれる特別な体験

デザインごとに職人が染料を配合し、微妙な色味を作り出す。振袖には約40色を使用するという。

【友禅】京都で伝統文化にふれる特別な体験

絵付けした反物を乾かす木製の装置。あでやかな色彩があふれ、幻想的な光景だ。

【友禅】京都で伝統文化にふれる特別な体験

仕立て上がった着物は一幅の日本画を思わせる。熟練の職人でも絵付けできるのは1カ月にわずか3枚。

【友禅】京都で伝統文化にふれる特別な体験

皇族の着物も多く手がける染匠・藤井寛さんが1972年に設立。現在は娘・友子さんが代表を務める。

四条烏丸|彩琳(さいりん)

◆京都市中京区不動町175・9 
TEL.075・221・6088

「京友禅袱紗制作」2万2000円*国内への送料込 (所要1〜2時間) 
1日2名限定(3名以上は応相談)。希望日の1週間前までに要問い合わせ。

地下鉄「烏丸」駅から徒歩約8分。

『クロワッサン』1137号より

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