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福を呼び、厄を除ける縁起物ーーその魅力

私たちの暮らしにあふれている、幸せを呼び込むモノやコトの数々。心豊かに、前向きに過ごすために、それらをあらためて探してみては?

撮影・青木和義 イラストレーション・上大岡トメ 文・嶌 陽子 構成・中條裕子

幸運を呼ぶ角、厄除けの目玉ーー世界各地にある縁起物

上大岡 平藤先生はどんな縁起物を持っているんですか?

平藤 仕事柄いろいろなものが自然と集まってきますね。海外のものもけっこうあります。ギリシアの「マティ」という厄除けは、目玉のような形が特徴。トルコやヨーロッパ圏などでも見られます。目は悪いものを寄せつけないといわれているんです。あと、これは先日イタリアのナポリで買いました。

上大岡 何でしょう?唐辛子みたい。

平藤 唐辛子に見えるけれど、角なんですよ。「コルノ・ロッソ」というお守りで、幸運を招くといわれています。このお守りは、自分が買うのではなくて、人から贈られるのがいいとされているんです。だからトメさんにプレゼントしようと思って買ってきました。

上大岡 わあ、貴重なものをありがとうございます!こういうお守りって世界中にあるんですね。

平藤 トメさんも今回いろいろなお守りを持ってきてくださいましたね。

上大岡 いくつか持ってきました。香川の金毘羅さんのお守りは犬の人形がついているんです。この犬、「こんぴら狗(いぬ)」というんですが、江戸時代、庶民がなかなか気軽にはお参りに行けないので、飼い犬に代わりに行ってもらうことがあったんですってね。首に古いお守りを下げて、金比羅山で新しいお守りと交換してもらって帰ってくる。道中、いろんな人にお世話をしてもらいながら行ったそうです。

平藤 今でいうヒッチハイクみたいな感じなのかも。途中でお世話をした人にもご利益があるとされていたとか。

上大岡 新宿にある穴(あな)八幡宮の「一陽来復」お守りも大人気。冬至、大晦日、節分の三日のうちから都合のいい日を選び、その日が終わる瞬間の深夜0時ちょうどにその年の恵方の方角に貼らなければいけないんです。毎年、これを買う人が行列を作っていますよ。

南イタリアの幸運を呼ぶお守り「コルノ・ロッソ」を手にしておしゃべり。人から贈られることで初めて効果を発揮するとされる。
南イタリアの幸運を呼ぶお守り「コルノ・ロッソ」を手にしておしゃべり。人から贈られることで初めて効果を発揮するとされる。

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