海外文学にハマると、思わぬ自分に出会えるーー金原瑞人 × 頭木弘樹 対談
悩んだ時に支えてくれたり、ただただ面白くて仕方なかったり。文学の楽しさと力強さについて、翻訳家の金原瑞人さんと、作家で翻訳家の 頭木弘樹さんが語り合います。
撮影・青木和義 文・嶌 陽子 構成・堀越和幸
頭木さんが熱く推す、古今東西の5冊。
『変身』
フランツ・カフカ 著
高橋義孝 訳 (新潮文庫)
昨2024年はカフカ没後100年、あらためて読みたい世界的名作。「僕の人生を変えた作品。読み返すたびに感想が変わります。再読をおすすめしたい本です」
『神を見た犬』
ディーノ・ブッツァーティ 著
関口英子 訳 (光文社古典新訳文庫)
イタリアの奇想作家ブッツァーティの短編集。「楽しみながらゾッとさせられます。おすすめは『七階』という作品。でも入院中は読まないほうが賢明かも」
『カラマーゾフの兄弟』
ドストエフスキー 著
米川正夫 訳 (岩波文庫)
カラマーゾフの三人兄弟を中心に、19世紀のロシア社会に生きる人間の愛憎を描く大作。「たとえ読書経験がなくても、悩んでいる時に読めばきっとハマるはずです」
『わたしの名は紅』
オルハン・パムク 著
和久井路子 訳 (藤原書店)
現代トルコを代表する作家による細密画がテーマのミステリー。「読む楽しさを存分に味わえる作品。これを日本に紹介しようとした翻訳者の熱意に感謝したいです」
『チベットのむかしばなし しかばねの物語』
星 泉 訳 (のら書店)
チベットで長く愛されてきた昔話の編訳。「世界に広がりながら、各地でさまざまな発展をしていく。そんな口承文学ならではの面白さをぜひ味わってほしいです」
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