資格に語学にITスキルーーいくつになっても学び続けたい!
イラストレーション・いいあい 文・吉川明子
語学は「使う目的に応じて勉強の狙いを定める」
「いつか英語を使えるようになりたい」と願う人は少なくない。とはいえ、50代以降に英語の勉強に本腰を入れ、TOEICで高得点を獲得する人もいるのだから、諦めるのはまだ早い!
まず考えたいのは、語学を学ぶにあたって、ヒアリング、スピーキング、リーディング、ライティングのどれを特に伸ばしたいかということ。
「仕事で英語を生かしたいと考えるのであれば、英文メールや書類を読む機会が多いので、スピーキングよりもリーディングやライティングの能力を伸ばしたほうがいいでしょう」
いぬかいさん自身、仕事で必要になったことがきっかけで、52歳から英語の勉強を再開した。ライティングを中心に勉強しているという。
「今はオンラインで外国人講師のレッスンを受けることができますが、私は日本人講師を選びました。私が理屈から入らないと覚えられないタイプだったのと、文法や表現について日本語で相談できるからです。コロナでオンラインレッスンに切り替わりましたが、5年続いていますし、自分でも英語力が上達したのが実感できます」
ビジネスで使う機会があまりない人は、日常的なスピーキングに挑戦したほうがいいといういぬかいさん。
「簡単な日常会話ができるようになると、例えば接客のアルバイトをしている人は職場に外国の方が来た時に役立ちます。また、会話力が上がれば地元のボランティアガイドをするなど、新たな選択肢が増やせるかもしれません」
英語以外の言語であれば、ビジネスで重宝されるのは中国語。50歳以降から他言語に挑戦してビジネスレベルまで上達するのは至難の技だが、趣味で楽しむぶんには大いに挑戦したい。
「K-POPや韓流ドラマの影響で、韓国語を勉強する人も増えていますよね。韓国語は若い世代で勉強している人が多いので、若い人たちとのコミュニケーションにも役立ちます」
50歳以降の語学習得で心配なのは、記憶力への不安だろう。しかし、毎日コツコツと積み重ね、隙間時間を上手に使って乗り越えよう。
「毎日1時間の勉強時間を確保するのは難しくても、15分くらいなら見つけられるはず。テキストを章ごとに分割して、15分用、30分用の教材を作っておくと取り組みやすいし、持ち運びにも便利」
「また、家で一度くつろいでしまうと、そこから勉強するのは難しいので、例えば、ソファに座る前に15分だけ頑張って、終わってからダラダラする、とルールを決めるのです」
時間やお金などが許せば、思い切って短期間のプチ留学を目標にするのもよし。1〜3カ月単位で授業が受けられる語学学校があり、滞在中はその言語を使うチャンスにあふれている。
語学学校にはスピーキング重視、文法重視というように、さまざま特徴があるので、自分に合ったものを選ぶようにしよう。個人での手配が心配なら、エージェントに依頼することもできるが、そのぶん割高になることも。
滞在中は寮や下宿を利用すると、各国出身の留学生とコミュニケーションが広がり、英語を使う機会も増える。
プチ留学という“ご褒美”を設定すれば、日々の語学学習にも熱が入りそう。
おすすめの語学アプリ
Duolingo(デュオリンゴ)
言語学習アプリの代表格。AIを取り入れ、基本的な文法や日常会話に必要な単語をゲーム感覚で習得できる。日本語版では英語、中国語、韓国語、フランス語が学べるが、英語版では40カ国以上の言語を選択可能。
Speak
スピーキング特化型のAI英会話アプリ。人間の講師による動画で勉強したあとは、AIとの会話で実践。会話が終わると発話内容を細かいところまで添削してくれる。相手がAIなので、恥ずかしがらずに会話練習ができる。
学び直しインタビュー
坪井由美子(つぼい・ゆみこ)さん フリーライター
1970年生まれ。食やライフスタイルをテーマに執筆。近年は語学留学兼短期移住を実践し、情報を発信。
韓国短期語学留学
距離も文化も近い韓国はプチ留学にぴったり!
50代に近づくにつれ、体力の衰えや、仕事への不安を抱えるようになり、コロナ禍に遭遇。その時に、人生長くはないのだから、いろんなことに挑戦したいと思うようになりました。その一つがプチ留学です。
はじめにマルタ共和国に行き、次に選んだのが韓国でした。韓国語の学習経験はゼロでしたが、大学付属の語学学校「語学堂」など学べる場所が多く、日本語で申し込めるところもたくさんあります。私はインターネットで検索し、個人で手配しました。
滞在先には語学堂の寮、受験勉強用の個室「コシウォン」などがありますが、私は韓国人女性のオーナーによるまかない付きの下宿を選択。ただし、オーナーは年配の人が多くてインターネットで情報収集できず、現地で韓国人の友人の力を借り、奇跡的に見つけることができました。
語学堂の学びですが、今までこんなに勉強したことがない!というくらい勉強しました。ただ、私は人と交流し、現地の食文化に触れたかったので、2カ月目以降は意識してクラスメイトと出かけ、市場や屋台にも行きました。
肝心の語学は、記号にしか見えなかったハングルが解読できるようになり、話していることもなんとなく理解できるように。私にとっては大きな進歩です。
日本人にとって韓国は身近で似ている部分もある国なので、大人のプチ留学にはおすすめ。きっとかけがえのない経験を得ることができるはずです。
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