家計が成り立たない時、助けてくれるお金の制度。
撮影・黒川ひろみ 文・板倉みきこ
【もしものときは。】家計が成り立たない時、 助けてくれる制度を教えてほしい。
ウイルス流行、天災など想定外の事態が起こり、収入が激減したり財産を失うこともままある昨今。
「大規模災害が増えているので、自然災害で家を失った人は被災者生活再建支援制度による給付が受けられます。ただし被害状況ごとに受け取れる金額が異なり、全壊の場合に100万円、新しく建築・購入したら追加で200万円が最大で、充分な金額とは言えません。
民間の地震保険や火災保険に入っておいたほうが迅速に処置してくれるから安心、という考え方もできます」
病気やケガで働けなくなった人に適用されるのが、傷病手当金という制度。
「健康保険加入者の会社員なら、最長1年半の期間、給料の3分の2まで支給されます。この制度は自営業など国民健康保険加入者は対象外ですが、コロナ特例で非正規雇用の人も対象にする自治体も出てきているので確認を」
休業などに伴う収入の減少により、住居保持への不安が生じている人に向けた制度が、住居確保給付金。離職・廃業から2年以内、あるいは収入減少のため住居を失う恐れがある人が申請でき、原則3カ月、最大9カ月、家賃相当額を自治体が家主に支給してくれる。
「以前からあった制度ですが、貸主にとってもありがたい支援です。所得や預貯金額による制限はありますが、必須だった求職申し込みが不要になり、より申請が楽になっています」
家計と民需を下支えするため、国や自治体が知恵を絞って行う、助成や補助などお金にまつわる様々な制度。ただ、情報を得て自ら申請を行わないと恩恵を被れないのも事実。
「税金を払っているのだから、面倒くさがらずに受けられるサービスは受けるべき。例えば自治体が発行しているチラシや冊子をこまめにチェックするのも手です。助成や補助に関する案内が載っていることも多く、自分に該当する制度を見つけやすいですよ」(消費経済ジャーナリスト・松崎のり子さん)
今回は、住まいや健康などに関わる、家計に直結する主な制度をわかりやすく解説。気になる制度があれば、自分の場合はどうかを、自治体や専門機関に問い合わせてほしい。
*各制度を利用するには対象となる条件や、金額の上限などがあるので、事前にご確認ください。
『クロワッサン』1038号より
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