からだ

新年から始めよう!
腰痛、背中のコリに効果的な「指ヨガ」vol.1

大掃除や部屋の整理など、年末のバタバタで腰痛になったり背中がこった…という人も多いのでは。新年におすすめしたいのは、場所や時間を選ばず、気軽にできる部分ヨガ。さっそく試してみてください。

「まず、自分の手を揉んだり指を反らせてみてください。若いときと比べて固いと感じたら要注意。脳や全身が凝り固まって、老化しているサインかもしれません」

約20年前に龍村ヨガ研究所を開いた龍村修さんは、全国で講演などをしながら、体のヨガに加え、指ヨガや耳ヨガといった簡単でユニークな健康法を世に広めています。

「東洋医学で『部分即全体』というのがありますが、これは手や耳などの部分が全身の縮図であるという考え方。手を刺激することで体の不調を改善するのが指ヨガです。手の真ん中がへそ、中指が背骨に相応すると考えてください。また、手指の運動が認知症予防につながると言われるように、手は脳とも深く関係します。手指の気の流れが良くなると、セロトニンやオキシトシンなどのホルモンが分泌され、脳もリラックスします」

 いつでもどこでもできるという利点に加え、龍村さんが指ヨガ薦める理由は、長年の経験のなかでその効果を実感したことにあります。

「脳疾患の影響で全身のこわばりや不眠症に悩む生徒さんにヨガを教えた際、手揉みや指回しを合わせて実践したところ、症状が改善されたことが指ヨガを始めるきっかけでした。その後も指ヨガで体が柔軟になった、精神が安定したなどの声を数多くいただきました」

症状別の指ヨガの前に、まずは中指回しや手全体の揉みほぐしなどウォームアップから始めましょう。

「気になる部位や痛みを感じる場所があれば重点的に揉みほぐしを。さらに、体のヨガ同様、呼吸も大切です。押したり曲げたりする動きに合わせて、体の老廃物を外に出すイメージでゆっくり息を吐きましょう。今回は左手で解説しましたが、右手でも同じ効果があるのでやりやすいほうで試してみてください」

疲れたときや就寝前には特におすすめ。手指から全身をリラックスさせ、心と体を元気に!

始める前に、お湯につけたり両手をこすり合わせたりして血行を良くしておこう。

始める前に、お湯につけたり両手をこすり合わせたりして血行を良くしておこう。


 

まずはじめに……
中指回しでウォームアップ。

体の中心である背骨にあたる中指は、5本指の中でも特に重要な箇所。
「心臓などの循環器系に関係するため、この『中指回し』を続けただけで、高血圧に悩んでいた人の血圧が抑えられた、という例もあります」
 関節を回したり、指を引っ張ったり反らせたりと方法はいたって簡単。時間があるときは中指以外の4本も同じ動きを行い、手全体をほぐそう。

1.中指の第一関節を反対の手の親指と人差し指でつまみ、左右に20回ずつ回す。

1.中指の第一関節を反対の手の親指と人差し指でつまみ、左右に20回ずつ回す。

2.中指の第二関節を反対の手の親指と人差し指でつまみ、左右に20回ずつ回す。

2.中指の第二関節を反対の手の親指と人差し指でつまみ、左右に20回ずつ回す。


中指の先を反対の手の親指と人差し指でつまみ、指の根元から大きく左右に20回ずつ回す。

3.中指の先を反対の手の親指と人差し指でつまみ、指の根元から大きく左右に20回ずつ回す。

4.中指の背のつけ根から指先までを、反対の手で10往復ほどこする。

4.中指の背のつけ根から指先までを、反対の手で10往復ほどこする。


5.中指の先を反対の手の親指と人差し指でつまみ、引っこ抜く感覚でまっすぐ引っ張る。

5.中指の先を反対の手の親指と人差し指でつまみ、引っこ抜く感覚でまっすぐ引っ張る。

6.中指の先に反対の手の親指を、第二関節に人差し指を添え、手の甲に向けて3回反らせる。

6.中指の先に反対の手の親指を、第二関節に人差し指を添え、手の甲に向けて3回反らせる。


 

[腰痛]背骨の近くが痛いか、腰の外側が痛いかで揉む位置を調整する。

腰にあたるのは手の甲の中央から下。背骨の近くが痛い場合は、手の甲から中指につながる骨の両側を揉む。

腰にあたるのは手の甲の中央から下。背骨の近くが痛い場合は、手の甲から中指につながる骨の両側を揉む。

腰やお尻の右外側が痛い場合は、親指のつけ根の下あたりを両側から挟むようにして揉む。

腰やお尻の右外側が痛い場合は、親指のつけ根の下あたりを両側から挟むようにして揉む。


腰やお尻の左外側が痛い場合は、小指のつけ根の下あたりを両側から挟むようにして揉む。

腰やお尻の左外側が痛い場合は、小指のつけ根の下あたりを両側から挟むようにして揉む。


[背中のこり]中指のつけ根を揉みこんで、肩甲骨まわりをほぐすのがポイント。

背中にあたるのは中指の第二関節から手の甲の中央。まずは、中指のつけ根を強く揉む。

背中にあたるのは中指の第二関節から手の甲の中央。まずは、中指のつけ根を強く揉む。

中指の第二関節から手の甲の中央につながる骨の両側を揉む。腰痛のときよりも上を刺激するよう意識する。

中指の第二関節から手の甲の中央につながる骨の両側を揉む。腰痛のときよりも上を刺激するよう意識する。


甲の中央をさするようにして温める。痛みを感じるところは重点的にほぐし、さする。

甲の中央をさするようにして温める。痛みを感じるところは重点的にほぐし、さする。


 

◎龍村 修さん●ヨガ指導者・沖正弘氏に師事した後、龍村ヨガ研究所を開設。著書に『指ヨガ健康法』(日貿出版社)。

『クロワッサン』914号(2015年12月10日)号より

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE
TAGS
#ヘルス

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間