老舗筆記具メーカーに学ぶ、
変化する文房具の世界。
1888年に創業。125年以上にわたり、魅力的な筆記具を生み出し続けているPARKER(パーカー)が、ブランドリニューアルを行いました。文房具の世界において、何が変わり、何が伝統として継承されたのでしょうか。
文・写真/古庄香哉
洗練されたパッケージデザイン
化粧箱を開けた瞬間から始まる、その世界。今回のリニューアルでは、万年筆のデザイン変革と同時に、ロゴとパッケージも刷新されました。マグネットの引力にすこし逆らって、蓋を開けると、金の型押し文字。PARKERの象徴でもある「アロー(矢羽)クリップ」が、わずかに顔を覗かせています。カバーの下には、万年筆本体。もう一段下には、インクカートリッジとコンバーターが収納されています。
必要なものを満たした、美しい収まり。ちなみに、ペンケースに万年筆を保管する際は、ペン先を上向きにしておくと、ペン先の乾きや詰まりを防ぐことができます。
新しく生まれ変わった「DUOFOLD」と「SONNET」
PARKERの豊富なコレクションの中でも、代表的なモデルである「DUOFOLD」と「SONNET」。まずは、この二つから万年筆のリニューアルが始まっています。
「DUOFOLD」は、最も権威のある象徴的なコレクション。これまでのクラシックラインに加え、新たにプレステージラインも作られ、革新性が際立ちます。21個のパーツから構成されているDUOFOLD。手作業も組み込みながら、完璧に仕上げられており、「至高の書き味」が体験できます。
「SONNET」は、現代的で、時代を超越したスタイル。男性と女性、双方を意識してデザインされています。17個のパーツから成り、一新したクリップ、キャップ、ペン先に刻まれた「シズレ(格子)パターン」を特長としています。
なお、ブランドアイコンであるアロークリップは、行動力や方向性を示す力を象徴するもの。PARKERが、新たな可能性へ挑戦する人を応援する筆記具であることを示しています。
変わらないビジョン「BETTER THINKING」
スピーディに情報が行き交い、瞬時にコミュニケーションが取れる今の時代。そのような中、PARKERは、「書く」という行為が、自分の考えをまとめる落ち着きと優れたアイディアへのひらめきを与える、と捉えており、「BETTER THINKING」と名付けています。このビジョンが、今回のリニューアルでも、一貫して大切にされています。書くという体験の再活性化は、継承された職人技による「最高の書き味」によって、支えられています。
新しい季節を迎える支度としての「文房具」
筆記具をはじめとした文房具は、ペン、ノート、カード、色鉛筆と、万年筆の他にも多種多様に、たくさんのメーカーの製品が存在しています。毎日の生活の中で、私たちは変化し続けるその一つ一つに、お世話になっています。
紙とインク、色と素材、手触りと機能性といった様々な相性を、試し味わうこと。書き心地。書きながら考える悦び。贈り物として、人と人とを繋ぐモノ。文房具は、私たちの暮らしに、広がりを見せてくれます。
新しい季節を迎える支度として、文房具を新調する。ちょっとした日常の冒険です。
「PARKER」公式サイト
http://www.parkerpen.com/ja-JP
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう
※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。
人気記事ランキング
- 最新
- 週間
- 月間