【後編】クイーン・エリザベス乗船体験記。知っておきたい船旅の身支度&寄港地での楽しみ方
撮影・文 神保亜紀子
クルーズ船の出航は、夕方。通勤時間帯に巻き込まれる心配もなく、昼に自宅を出て横浜・山下公園へ。シャトルバスに乗り込み、港へ向かいます。クイーン・エリザベスは背の高い大型客船のためベイブリッジをくぐることができないので、その手前にある大黒埠頭の国際客船ターミナルから出航。空港と同じ国際ターミナルなので、手荷物検査ののち、パスポートを提示。顔認証ゲートをくぐり、乗船します。
部屋では…
テレビ画面では、今回のクルーズスケジュール、マップ上で船の運行コースと現在位置を表示。眺めていると船旅の高揚感が高まります。
毎朝部屋に届けられる「デイリー・プログラム(船内新聞)」。朝から晩まで分刻みに行われるアクティビティ情報から、ドレスコードの案内、免税店のセール情報、寄港地の観光情報まで、船旅を最大限楽しむための情報がぎっしりと載っています。
「パターゴルフ大会」や「屋外デッキウォーキング」(ちなみに屋外デッキの1周は約1.6km!)などの体を動かすアクティビティから、「クイズ大会」や「お一人様の集い」などというユニークなものも。筆者は、クイーンズ・ルームでの「ズンバ」(フィットネスダンス)や「80s音楽クイズ大会」に、旅の仲間は船内のインド料理レストランの料理長に教わる料理教室に参加して、それぞれ船内アクティビティを満喫。
また、デイリー・プログラムで必ずチェックしていたのは、ロイヤル・コート・シアターの演目。日替わりで上演されるショーの内容が素晴らしく、毎晩の楽しみに。5日間欠かさずシアターへ通いました。
船内のどこかしらで途切れることなく奏でられている音楽。弦楽三重奏、ピアノ、歌、ギターなどの音楽は、そのほとんどが生演奏です。生演奏が行われる場所と時間も詳細に記載。日が経つにつれて、すっかり魅了された奏者の名前をプログラムで見つけては、演奏時間になるとその場所に向かい、そばでじっくりと耳を傾ける……。そんな優雅な時間を過ごせるのは、船旅だからこそ。
船旅をより快適に! 「持参すると便利、知っておくと安心」
カードホルダー
チェックイン時に渡されるIDカードは、ルームキーと船内での支払いに使う機能が備わっているので船内では肌身離さず持ち歩きます。首から下げるカードホルダーがあると便利です。
水筒またはPETボトル
とにかく広い船内。ちょっと喉が渇いただけで、9階のビュッフェへ行ったり、ウォーターサーバーを探したりするのも一苦労。部屋で安心して飲料を保管できるよう、水筒の持参がおすすめです。ウォーターサーバーの設置場所は船内に3箇所。筆者は水用2本とコーヒー用の計3本の水筒を持参して、正解でした。
ドレスコード用の洋服
外国船によくあるのが船内でのドレスコード。事前に知らされていた「ブラック&ホワイト」に合わせて、黒のドレス(ワンピース)にパンプス、スカーフ、ストール、アクセサリー、バッグを準備。また、通常でも18時以降はフォーマルとカジュアルの中間に当たる「スマート・アタイア」がドレスコードなので、カジュアルすぎないシャツやスカートなども持参しました。ただ、場所を選べば問題ないので、気張る必要はなし。
迷子防止に…
客室デッキ(4階〜8階)は、長い廊下と同じドアがずら〜り。自分の部屋はどこだっけ? なんてこともしばしばで、部屋にたどり着くのにひと苦労。部屋のデッキ番号のほか、船首側/中央/船尾側、船首に向かって右側・左側と、部屋に近いエレベーターを覚えておくと迷子防止に役立ちます。写真を撮っておくと忘れずにすみます。
ランドリー室も完備
長旅は着替えを何着持っていくか悩みどころ。船内には無料で使えるランドリー室があるので、旅の途中で洗濯も可能です。
船を下りて、寄港地観光へ
今回のクルーズ船旅での寄港地は、広島・長崎・釜山。どの地も早朝に入港し、その日の夕方出航するスケジュールです。
船から出る時は、パスポートとIDカードを忘れずに持参。船に戻るときには、乗船時と同じくパスポートコントロール、IDチェックを受けて乗船します。
【広島】
横浜を出航して3日目、広島に到着。
船が着いた港からは、宮島方面や広島市街方面へのシャトルバスが運行しています。約半日の広島観光は、宮島口からフェリーに乗って厳島神社へ。名物の手焼きもみじ饅頭、あなごめしを食べてから広電に乗ったところで、まさかの運転見合わせというアクシデント。電車を乗り継ぎ、なんとかクイーン・エリザベスの待つ港へ到着しました。
考えたくはないけれど、万が一船に戻れなかった場合を聞いたところ、自力で次の寄港地へ行くしかないそうです……。時間に余裕を持っていて良かった!
【長崎】
5日目、長崎に到着。
長崎は港から市街地が近いので、たくさんの観光スポットに歩いて行けるのが魅力です。緩やかな坂道のオランダ坂から眼鏡橋を目指し、お目当てのカステラ店、中華街のちゃんぽんをいただいたあと、港に戻る途中にあった軍艦島デジタルミュージアムで軍艦島上陸VR体験、おしゃれなどぶろくの店で1杯すすり、歩き倒した長崎観光が終了。
【釜山】
船旅最終日は、韓国・釜山。
初めての釜山では、釜山愛にあふれる友が旅案内。持ち帰り可能なピンクマッコリ、体に沁みるしじみスープ、セリをたっぷりのせていただくサムギョプサル、韓国で話題のヨーグルトアイスやヘウンデのおしゃれな雑貨店など、初めましての釜山も歩き倒して、大満喫しました。
見送りセレモニーに思わずほろり
観光を終えて船に戻り、船内をうろうろとしていると、何やら屋外デッキに人だかりが……。みんなが見ている先には、陸岸に演奏をする吹奏楽団と、手を振る現地の人々の姿が。船が次の目的に向けて出航する際に行われる、見送りのセレモニーが始まっていました。
汽笛と共に船が離岸すると、どんどん遠のいていく吹奏楽団の音楽。手を振ってくれる地元の方々の姿も小さくなり、思わず涙がほろり……。船旅の素晴らしい思い出の1ページになりました。
クルーズ船の旅はいくらかかる?
今回体験した日本(横浜)発着のクイーン・エリザベスは、広島・長崎・釜山(韓国)・大阪に寄港する10泊11日のクルーズです。
海側バルコニー付きの客室(2名1室利用)のクルーズ代金は約30万円。宿泊、移動、食事、エンターテインメントが含まれてこの代金。1日換算すると2万7000円程度なので、意外とリーズナブルですよね。
ただし、、一部のレストランとドリンク、サービス料、寄港地での観光ツアー、船内Wi-Fiなどは別料金がかかります。
さらに外国船に乗船する場合、あくまで「海外」扱いとなるため、海外旅行保険の加入を推奨。万が一、船内で具合が悪くなったり負傷してしまった場合、日本の健康保険は使用できないため、緊急退避などの事態などにも備えて医療費無制限の海外旅行保険に加入しておくと安心です。
今回のクルーズ船の旅で、新たな旅のカタチに開眼してしまった筆者。遠方へ行き何ヵ所もまわる旅行はお金も体力も必要……と思っていた考えがアップデートされ、船旅が新しい選択肢の一つに加わったことは、とても嬉しい。
次回のクイーン・エリザベスの日本発着クルーズの予定は、現在のところなし。2026年はアラスカとカリブ海をメインに、その後は地中海へと航路を移すそうです。そして、2028年には10年ぶりのワールド・クルーズで日本への寄港が発表されています。横浜で乗船または下船のできる区間クルーズの設定もあるそう。現時点ですでにかなり人気のようなので、お早目のご予約がお勧めです。陸上からのアクセスがしにくい場所もあるので、憧れの景色を求めて国内外の旅行ついでの船旅、というのもアリかもしれません。
ちなみに、キュナードはクイーン・エリザベスのほかクイーン・アン、クイーン・ヴィクトリア、クイーン・メリー2のクルーズ船を保有し、アラスカや北欧フィヨルド、カリブ海など世界各地に寄港。クルーズのスケジュールは日本語の公式サイトで確認ができ、予約も日本語で可能。ぜひチェックしてみてください。
「【前編】毎日が感動の連続。豪華客船クイーン・エリザベス乗船体験記」はこちらをご覧ください。
広告