なかしましほさんの〈第三の居場所〉は「趣味の仲間」──ひとりで楽しむことを基本に、マイペースで仲間とつながる
撮影・市原慶子 文・長谷川未緒
10年ほど前から韓国のアイドルや俳優、カルチャーが好きだという料理家のなかしましほさん。同じように韓国が好きな人たちと、SNSを通じて関わりあうようになった。
「当時はツイッター(現X)から流れてくる情報が圧倒的に早かったので、匿名アカウントを作り、同じようなファンの方のアカウントをフォローしました。最初は見ているだけでしたが、私もアイドルのことや韓国のおいしいお店のことを投稿するように。そのうち相互フォローをしている人とコメントし合うようになって、じわじわ、恐る恐る、やりとりするようになりました」
1年ほど経ったとき、はじめてファン仲間と会うことになった。日本で開催されたファンミーティングに行くことにしたものの、どんな服装がいいのか、自分の年齢で浮かないのかと、緊張でいっぱいだった。そのため、“お会いできたらうれしいです”と連絡をもらったときは、少しほっとしたそう。
「アシスタントからは知らない人と会って大丈夫なのかと心配されましたが、やりとりの中で信頼できる人かどうか、なんとなくわかりますよね。うんと年下の方もいましたが、言葉選びが好きだったり、親近感が湧く投稿をしていたので、思い切って会ってみようという気持ちになれたんだと思います」
次第にいろいろな相互フォロー同士と連絡を取り合い、日本や韓国などで開催されるコンサート会場で会うようになった。時間が合えばコンサートが終わったあと、一緒に食事に行くことも。3〜4人が基本で、多いときは6〜7人集まることもあるという。
「私はずっと仕事しかしてきませんでした。友だちも仕事仲間ばかりで、それはそれで満足していたんですけれど、狭い世界にいたんですよね。韓国が好きになったことで、20代、30代の若い人や、仕事が全く違う人と知り合えました。関心の薄かった話題に目が向くようになったり、行かなかったであろう場所に行くようになったり、世界が広がりました。とはいえオタクはソロが基本です(笑)。いつも誰かと一緒にと思うとストレスになるので、自分のペースは大切にしたいですね」
『クロワッサン』1158号より
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