布団、エアコン、冷蔵庫……、放置すれば健康被害のリスク大!
イラストレーション・米村知倫 文・小沢緑子
気密性が高く一年中快適な現代の住まいは、ダニやカビにとっても棲みやすい環境。掃除で汚れを取り除き、増やさない対策が必須。
⚫︎ソファ
寝具同様、多くの時間を過ごすソファ。特に布製の場合、人の皮膚から落ちた垢やフケなどがたまるとそれをエサにしてダニが繁殖。
⚫︎エアコン
エアコンの汚れは放っておくと、カビの発生源になる可能性が。夏の間の汚れは今のうちにきれいにして、冬の本格始動に備えよう。
⚫︎冷蔵庫
冷蔵室、野菜室は、汚れが蓄積するとカビや雑菌も繁殖しやすい。一度に掃除をするのは大変なので、普段からちょこちょこ掃除を。
⚫︎洗濯機
洗剤カスや繊維クズなどはカビの好物。洗濯槽は月1回は専用クリーナーで洗浄。洗濯後は蓋を開けて中を乾燥させることも大事。
⚫︎ベッドまわり
ダニのフンや死骸が一番多く見つかるのが、一日のうち長時間を過ごす寝具やベッドまわり。特に敷きっぱなしのマットレスは注意。
健康に影響を及ぼす〝住まいのアレルゲン(アレルギーの原因物質)〟と呼ばれるのが、ダニのフンや死骸を含んだホコリ。ダニは梅雨から夏に繁殖することが知られているが、「秋から冬にかけても注意が必要」と環境アレルゲン対策の専門家、白井秀治さん。
「ちょうど今の時季、夏の間に増えたダニが寿命を迎えるため、秋冬は家の中にダニの死骸が多く見つかります。ダニアレルギーは生きたダニより、フンや死骸によって起こることが多い。たとえば押し入れから久しぶりに秋冬用の布団を出して広げたら、中にたまっていたダニのフンや死骸が空中を舞い上がり、それらを鼻や口から吸い込んでアレルギー性鼻炎や結膜炎、気管支喘息などを引き起こす人もいます」
寝具のほか、ぬいぐるみやクッション、敷物、ソファなど、長い時間を過ごす場所にあり、布に包まれて人がよく触るものを調べると、ダニのフンや死骸が大量に見つかるという。
もうひとつの住まいのアレルゲンはカビ。「ダニとカビは、比較的暖かく湿度が保たれた環境を好む共通の特徴があります。今は昔より住宅の気密性が上がったことで空気の自然な入れ替わりが減り、さらに冬も暖房や加湿器を使うため、ダニもカビも棲みやすく繁殖しやすい状態といえます」
カビは水気が多い場所で発生するので、水回りはもちろんだが、日常的に頻繁に使うのに目が届きにくいエアコン、冷蔵庫、洗濯機などの家電の手入れも忘れずに、とは家事代行サービス「ベアーズ」の中村音舞さん。
「汚れは時間が経つほどに頑固に落ちにくくなり、カビも雑菌も増える元に。掃除でこまめにホコリを取り除くことが、ひいては常に清潔で心地のいい空間に整えるための一番の方法です」
『クロワッサン』1128号より
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