薄毛の悩みは、専門医に相談が近道。
撮影・黒川ひろみ(物) 文・板倉みきこ
Q. 薄毛が気になり育毛剤で毎日ケアしているけれど、効果を実感できません。
A. 薄毛対策に効果的なのは発毛剤です。
薄毛の悩みには育毛剤ではなく、発毛剤を使うのが正解。でも、両者を混同している人がとても多いのが現状だ。
「育毛剤は、もともと生えている毛を健やかに保ち、抜け毛を防ぐためのもの。一方発毛剤は、今生えていない髪を生やし、抜け毛を防ぐためのものです。頭髪の悩みに“守り”でアプローチするのが育毛剤、薄毛の治療として“攻め”のアプローチができるのが発毛剤です。髪の分け目や生え際の変化、抜け毛の量が気になるなど、薄毛の悩みを抱えているなら、“攻め”のケアが必要です」(女性発毛専門医・浜中聡子さん)
Q. 治療の効果をしっかり出せる人、出せない人の違いはありますか?
A. 長い目でメンテナンスを続けられる人が有利。
治療を続ければ半年ほどで発毛を実感し効果を感じる人が多い、と浜中さん。
「ただ、薄毛は加齢変化のひとつなので、効果が出たからといってそこでやめてしまうのではなく、継続的なメンテナンスが必要になります。また治療だけでなく、食習慣や生活習慣の見直しなど、頭皮環境にいいことを積極的に取り入れられる人のほうが、治療の効果は出やすいとも言えます」
薄毛の治療は、症状が早いうちに始めるほど効果を実感しやすいそうなので、今自分の髪の状態が気になる人は一度専門医に相談してみるといい。
50代女性の来院初診時(上)と治療10カ月後(下)。分け目の地肌が目立たなくなり、 健康な髪が生えてきたのがわかる。
Q. 専門クリニックではどんな治療をしてくれますか?
A. 一人ひとりに合わせ、効果的な薬を処方。
最新の治療では、発毛や髪の成長を促進する効果が高いと世界的に認められた、ミノキシジル配合タイプの外用薬や内服薬が使われている。浜中さんが総院長を務めるクリニックでは、診察や血液検査、既往症の有無などを検査した上で、ミノキシジルの濃度や種類、さらにビタミン類なども組み合わせ、患者ごとに最適な治療法を提案する。
「ホルモンバランスの変化や血流の低下、病的背景、ストレスなど、薄毛の原因は様々で、それらに合わせた治療法も多種多様です。専門医が携わることで、適切な治療につなげられます」
写真は外用薬。ミノキシジルの配合濃度は数種類あり、患者の進行度に応じて適宜処方される。市販の外用薬のミノキシジル濃度が1%なのに対して、クリニックでは20%までを用意。内服薬やビタミン剤などを処方されることもある。