40代・50代のメガネの選び方と印象チェンジ術。
無難なメガネを選ぶのはもったいない!
撮影・徳永 彩 スタイリング・藤 裕美(メガネ)、白男川清美(服) ヘア&メイク・遠藤芹菜 モデル・中村りん、青木沙織里 文・熊坂麻美
必需品だからこそ積極的に楽しむ。好きな顔になれるメガネを探して。
「ノーメイクでも普段着でもおしゃれな雰囲気になり、かけるだけで雰囲気も変えられて、周りから褒められる。メガネって楽しいものなんですよ」とは、眼鏡スタイリストの藤裕美さん。印象を左右するものだからこそ、色や形でなんとなく選ばずに、どんなふうに見られたいかを考えることが大切。
「似合うメガネは人それぞれ。顔の形別など選び方のセオリーはありません。黒やべっ甲色のいわゆる定番型をかける人が多いですが、メガネ姿に自信がない人もいるのでは? 自由にいろいろ試すことで、自分の魅力を引き出す一本と出合えますよ」
無難なものではなく、かけて気分が上がるものを選びたい。それが長く愛用できる一本になるという。髪の色で似合うメガネは変わるため、今回は黒髪とグレーヘアの女性をモデルに。
また藤さん曰く、40代半ばを過ぎて老眼がない人はほぼいないそう。「まだ大丈夫」と思っても、一度視力測定を。
「視覚は自律神経に影響を及ぼします。視界がぼやけたままではホルモンバランスが乱れたり、認知機能にも悪影響が。健康にも生活にも大きく関わると知っていただきたいです」
数年来主流の上下幅の広いメガネは、遠近両用などの累進レンズに最適。見やすく、見た目にもおしゃれさが増すので40、50代にもうってつけという。
「メガネは医療器具。作りやすさや金額で選ばず、信頼できる眼鏡店で生活スタイルを伝え、困っていることを相談して仕立てましょう。外出用、仕事用など用途に合わせて使い分けると目が疲れませんよ」
メガネはかけ方でも印象が一変。
同じメガネでもかける位置次第で似合わなくなることも。「選ぶ際もかける位置を気にしてみてください。数ミリの違いで似合うメガネになります。今使っているメガネも、定期的に購入した店でメンテナンスしてもらうと見え方が向上し、疲れも緩和します」(藤さん)
上すぎる
フレームがまゆ毛に重なり、バランスが悪い。ややダサい印象にも。下がらないように意識するあまり、上げすぎてしまわないよう注意。
適正
上下幅の広いメガネは黒目が中央よりやや上め、狭いメガネは黒目が中央にくる位置が適正の目安。見えやすく、一番美しく見える。
下すぎる
目とフレームが重なって見えにくく、だらしない印象に。いつの間にか下がっていることも多いので、こまめに鏡をチェックしよう。
サッと使え、装いのポイントにもなるこんなルーペも。拡大鏡なので視力にかかわらず誰でも使うことができる。
●あまり冒険はしたくない。 でもちょっと印象を変えるには?
黒や茶色の無難なメガネは、特にグレーヘアだと老けて見えやすい。定番の形や色にほんの少し個性を加えてみよう。「フレームに柄が入っていたり、サイドが素材違いだったりするものがおすすめ。これだけでかなり印象チェンジできます」
定番の形にさりげない柄をプラス。
定番のスクエア型でも黒や茶色の単色を選ばないだけでぐっと新鮮に。「クリアの入ったランダム柄で角度によって光の入り方が変わり、肌をきれいに見せる効果も」
ディテールで品よく見せる。
「一見オーソドックスなメタルフレームですが、全体が美しい淡い茶色でリムの正面だけがオフホワイトという絶妙な配色。肌映りよくおしゃれな印象になります」
黒の丸形は抜けを作って軽やかに。
人気の黒縁の丸形は主張が強くなりがち。引き算を意識して。「横から見るとリムは薄くテンプルはメタル。裏の色はクリアなので、よりおしゃれで上品に見えます」
少しのクセと抑えをバランスよく。
「立体感ある柄と多角形のヘキサゴンは難易度が高そうですが、細身のリムとサイドの黒で中和しています。グレーへアだからこそ、定番より少し個性ありが魅力的に」
“ちょい足し”で ありきたりを脱却しよう。
フロントの色がベーシックな茶色でも裏面がピンクになるだけで肌映りよく、印象アップ。試着の際は裏面も要チェック。
定番の形こそ、色と細部のデザインにこだわって。ゴールド、パール感がある色は華やかな印象に、素顔も明るく見せてくれる。
●顔の印象を明るく見せたい。 何をポイントに選べばいい?
くすみがちなミドルエイジの肌を明るく見せるには、きれいな色を使うのが鉄則。
「ゴールドのポイント使いや、赤やピンク、ブルー系もおすすめです。ちょっと派手かな?と思う色のほうが定番色より素敵に見えます。アクセサリー感覚で!」
抑えめのグリーンでオンタイムにも。
マットなミントグリーンが肌を明るく見せる。「形がベーシックで全体が細めなので品がよく、ビジネスシーンでも使いやすいはず。色白の人向きです」
クリアピンクは肌うつり抜群。
「存在感はありますが、クリアピンクとゴールドが女性らしく、肌をきれいに見せてくれます。髪をアップにして、ジーンズとTシャツなどのカジュアルな装いが合います」
グレーヘアにも映えるオレンジを。
メタル素材の落ち着いたオレンジが肌になじみつつ、トーンアップも。「カラーフレームはグレーヘアにも映えます。フレームが太すぎるとトゥーマッチになるので注意」
青はポイント使いでも効果的。
落ち着いた色味が好みなら、こんなツートーンがおすすめ。「暗めの色のフレームも、上部のクリアブルーが効いているのでパッと明るく、アイメイクのような効果が」
カラーフレームは細いタイプが取り入れやすい。
上・オレンジ寄りの赤は肌を明るく見せる効果が高い。極細フレームで大人っぽい雰囲気にも。3万8500円(ルール/トォー)
中・フォックス型は女性らしく表情のリフトアップ効果も。マットなライトグレーで華やかに。6万7100円(マスナガ シンス 1905/マスナガ1985)
下・ピンクとゴールドのコンビネーションが肌の血色感を上げ、やさしさや知性を演出する。7万2600円(アーレム/グローブスペックス エージェント TEL.03・5459・8326)
●ちょっと個性的、でもおしゃれ。 そんなメガネってありますか?
「変わったメガネの人」にならないように、フレームの形や大きさ、色や柄を足し引きして選んでみよう。「色や透明感で肌なじみのいいものを選ぶと失敗しません。グレーヘアの人は、少し個性的なデザインを選んだほうがむしろ素敵になります」
個性+透明感で大人かわいく。
「一見変わったデザインですが、透明感がある素材なので悪目立ちしません。クリアピンクとブルーグレーのツートーンで、大人のかわいらしさを引き出してくれます」
おしゃれさが増す絶妙カラー。
流行りのオーバーサイズは色で引き算を。「グレージュが肌になじみ、おしゃれ感が際立ちます。アイラインを長めに引くと大ぶりのメガネとのバランスがよくなります」
繊細な遊び心を効かせて。
ベーシックなラウンド型だが、さりげなくブロウラインが二重に。「個性的すぎない、程よいさじ加減です。パープルが肌をきれいに見せ、チャーミングさも演出します」
フランスの有閑マダムのように。
ぐんと個性を出しても品が漂うのは、定番の形と明るさを加えるブルーがポイント。「年齢を重ねたからこそ、派手なメガネも嫌みがなく華やいだオーラになります」
個性派メガネはかけてみると意外となじむ。
左・カーボンと木という天然素材のメガネで個性をプラス。ゴールドの太いテンプルも魅力。6万1600円(フライ コペンハーゲン/バトック)
右・シンプル
なクリアグレーで、フロントに施した立体的なドットデザインがアクセント。3万9600円(ラフォン/イワキメガネ)
下・個性的なレンズシェイプも線が細いので強くなりすぎない。ツートーンカラーで表情豊かに。5万6925円(テオ/テオアイウェア mail:theo@theo.be)
『クロワッサン』1114号より