スプレー缶やガスボンベ、捨て方がわからない。困ったモノの処分法。
イラストレーション・オガワナホ 文・長谷川未緒
いらないけど、捨て方がわからない困ったモノ。
「せっかく片づけが進んだのに、最後に手間取るのが、捨て方がわからないものや、面倒で捨てられないものの処分です」
そう語るのは、整理収納アドバイザーとして多くの家を片づけてきた中山真由美さんだ。自治体によって分別方法が異なる点も、ゴミ捨ての難しいところだという。
「わからないものは、その都度、自治体のサイトを確認したり、電話で問い合わせたりする必要があります」
自治体のルールに従うことが基本だが、ここでは口コミで多かった、分別のわかりにくいものや捨て方がわからないもの、情があって手放せないもの等の処分法を教えてもらった。
「粗大ゴミの申し込み等は面倒ですが、きれいになった部屋をイメージしながらスケジュールに組み込んでください。捨てなくちゃ、と頭の片隅で思い続けていたものが片づくと、ほかのものも整理できたり、定位置を作れたりします。心もすっきりするはずですよ」
スプレー缶は中身を必ず出し切ってから。
「使わなくなったヘアスプレー、中身を出し切ってから不燃ごみに……と言われたものの、大量のスプレーを噴霧しなければいけないのでしょうか」(40代主婦)
中身やガスが残った状態で捨ててしまうと、ゴミ処理施設などで引火し、火災事故の原因になることがあります。必ず風通しがよく、火気のない屋外で、中身やガスを出し切ってから、各自治体の方法に従い、ゴミに出しましょう。中身は液体なので、風上に立って湿らせたボロ切れなどにスプレーして吸わせるといいと思います。ガス抜きキャップがついている製品も、中身を出し切ってから少量残ったガスをキャップを利用して排出します。ヘアスプレーなどのエアゾール製品に使われているガスは空気より重いので、屋内では換気扇を回しても下にたまり、引火事故を起こす恐れがあります。作業は屋外で。
ガスボンベ、灯油は、使い切るのがおすすめ。
「中身がまだ残っているガスボンベ。使い切ればよかったのでしょうけれど、もう何年も使っていません」(30代管理栄養士)
「灯油の残りはガソリンスタンドで引き取ってもらうと聞きましたが、引き取ってもらえませんでした」(50代飲食店経営)
ガスボンベは使用期限内なら使えますが、期限が切れている場合は、火気のない風通しのよい屋外でキャップを外し、先端部をコンクリートなどの硬い地面に押し当て、振って音がしなくなるまでガス抜きをします。後は各自治体のルールに従い処分します。サビがついている等、使用やガス抜きに不安があれば、メーカーに問い合わせを。
灯油の処分でよく行うのは、使い切るまでストーブを焚くこと。暖かい時季ならベランダや庭で焚いても。どうしても難しい場合は、自治体に連絡し、回収業者を紹介してもらいましょう。
『クロワッサン』1041号より