【初夏の保存食】オイル、酢、醤油。
家にある調味料で手早く漬ける。
新鮮なうちにひと手間加えて、食材を美味しく食べきる。料理家の本田明子さんのシステム時短家事は梅雨どきこそ有効です。
とにかく食材の傷みが早いこれからの季節。多めに買った野菜は、酢やオイルでパッと漬けてしまうのも、美味しさを保存する方法の一つ。
「マリネやピクルスのほか、ぜひ試してほしいのが煮切り醤油。梅酒で肉や魚を煮るのもおすすめです。アルコール分の多い煮汁を火にかけると、鍋に火が入ることがありますが、あわてずに、蓋をして消してください」
夏にかけての保存食作りは、調理の途中で、あまり手や箸で触らないのがポイント。雑菌が入る機会は極力減らしたい。保存びんの清潔さも大事。
「洗って完全に乾かすのが基本。耐熱容器なら熱湯をかけてもいいです。布巾は雑菌がつきやすいので、拭くならペーパータオルを使いましょう」
夏野菜のカラフルマリネ
材料(作りやすい分量)
パプリカ1個、ズッキーニ1本、マリネ液[塩・砂糖各小さじ1、酢½カップ、サラダ油¼カップ]、ローズマリーなど1枝
作り方
1.マリネ液の材料を合わせておく。塩(分量外)を加えた熱湯でひと口大に切った野菜をさっとゆでて、水気をきる。
2.ゆでた野菜の粗熱がとれたら保存びんに詰め、マリネ液をかぶるくらいまで注ぎ、ローズマリーなどを入れる。
3.冷蔵庫で一晩おくと食べられる。水気がほとんど出ない野菜なら、同じマリネ液で2〜3回漬けられる。
ピクルス
材料(1人分)
きゅうり2~3本、セロリ1~2本、ピクルス液[塩小さじ1、砂糖小さじ1、米酢1カップ、水1カップ]、ローリエやローズマリー適量
作り方
1.きゅうりとセロリはひと口大に切る(セロリは葉も使う)。同じびんで混ぜて漬けても、それぞれ別のびんで漬けてもよい。
2.鍋にピクルス液の材料を合わせ、火にかける。フツフツしてきたら、きゅうりとセロリを入れる。全体を混ぜ、5秒したら火を止める。
3. 2をすぐに耐熱容器に移し、ローリエやローズマリーを入れ、蓋をする。完全に冷めたら食べごろ。具がピクルス液にしっかり浸っていれば、冷蔵庫保存で2~3週間美味しく食べられる。
枝豆の醤油漬け
材料
枝豆1~2枝、サラダ油大さじ2、煮切り醤油[日本酒・みりん・醤油各¼カップ]
作り方
1.枝豆は固めにサッとゆで、サヤから豆を出す。
2.フライパンにサラダ油と①の豆を入れ、弱めの中火にかける。チリチリと時間をかけ、時々全体を混ぜながら、こんがり色づくまで炒める。油をきって耐熱の容器に入れる。
3.煮切り醤油の材料を小鍋に入れて中火にかけ、フツフツしてきたらそのまま2分ほど煮てから2の容器に注ぐ。冷めたら蓋をして冷蔵庫で保存。1週間ほどもつ。豆に空気が触れない状態を維持できれば2週間保存することも可能。
◎本田明子さん 料理家/小林カツ代キッチンスタジオに25年在籍、多くの料理本に携わり現在は独立。著書に『野菜の常備おかず』(学研パブリッシング)ほか。
『クロワッサン』903号(2015年6月25日号)より