額なんて心のぜいたくをする部分なんだからね――中村公一(「ラパン・アジル」店主) | トピックス | クロワッサン オンライン
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額なんて心のぜいたくをする部分なんだからね――中村公一(「ラパン・アジル」店主)

1977年創刊、40年以上の歴史がある雑誌『クロワッサン』のバックナンバーから、いまも心に響く「くらしの名言」をお届けする連載。今回はインテリア特集から、日々の暮らしをちょっと豊かにするヒントをお届けします。
  • 文・澁川祐子
1977年12月号「額を飾る」より

額なんて心のぜいたくをする部分なんだからね――中村公一(「ラパン・アジル」店主)

「額」だけにフォーカスした、ちょっと珍しいインテリア特集。ふだんから額を飾って楽しんでいる読者宅のリポートを交え、額のある暮らしの魅力を伝えています。

締めくくりには、額使いの達人たちが選び方や飾り方などを指南。オーダー専門の額縁屋さんの<壁の色が濃かったら淡い色の額、白っぽかったら、少し濃い目をもってくる>といった実用的なアドバイスと並び、ハッとさせられたのがアンティーク店の主人が語った言葉です。

<額の中って、結局、何を入れてもいいわけですよね。雑誌の1ページだろうが、プリントの布地のきれはしだろうが、自分でいいと思えばいいんです。口の悪い友達が何といったって、額なんて心のぜいたくをする部分なんだからね>

いざ額に入れて飾るとなると、「ちゃんとしたものを」とかまえがちですが、そうではないということ。この言葉を読んで私が思い出したのは、陶芸家の河井寛次郎が身近に飾っていたという額。電車の連結部分を真上から撮影した新聞広告を額装したもので、インパクトのある造形は、河井の木彫り作品と呼応していました。

なんであろうと、自分にとって強く心を惹かれるものを額に入れ、日々眺める。アンティーク店の主人が語ったように、それこそ我が家ならではのとびきりの贅沢というものでしょう。

※肩書きは雑誌掲載時のものです。

澁川祐子(しぶかわゆうこ)●食や工芸を中心に執筆、編集。著書に『オムライスの秘密 メロンパンの謎』(新潮文庫)、編著に『スリップウェア』(誠文堂新光社)など。

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