では、最初にどんな器を買えばいいのか。細川さんの答えは明快だ。
「好きかどうかで選べばいいと思うんです。以前に、さんまを盛り付けられる長い皿を探していて、まさにそのための板皿を見つけて、物としてそれほど好きなわけではなかったけれど買ってみたんです。でも、ほとんど使うことがありませんでした。だから、用途では買わないほうがいいというのが、私流の器選びのポイントです」
見た目が美しくて好きだという抹茶碗を飯碗として使うのも、あまり抹茶を飲まない細川さんが、もっと登場回数を増やしたいと考えてのこと。「使うことが大事にすること」という思いがそこにはある。