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これが正解!効率よく
体脂肪を燃やす糖質制限

頑張って食事制限しているのに、ちっとも痩せない。そんな場合は、栄養不足が原因かもしれません。糖質を気にして食べることに臆病になるのではなく、しっかり賢く食べるのが、無理なく痩せるコツです。作家の山口恵以子さんが管理栄養士の大柳珠美さんから糖質制限をベースに栄養バランスを考えたダイエットに挑戦です。
「腕とかひざ下とかはけ っこう細いんですけど、お腹がぽっ こり」と山口恵以子さん(右)。「栄養の摂り方を工夫すれば痩せられます」と大柳珠美さん(左)。

大柳珠美さん(以下、大柳) 今回は骨量や筋肉量を減らさず、効率よく体脂肪を燃やせる糖質を制限した食事の摂り方をお伝えしたいと思います。

山口恵以子さん(以下、山口) 糖質制限食というと、主食を抜いておかずでお腹いっぱいにするってイメージなのですが。

大柳 糖質の多いごはんやパン、麺などの主食を制限して、肉、魚介、卵、大豆製品と、野菜などをバランスよく食べて体脂肪を減らしていきます。

山口 でも私みたいなMLサイズをMSにするのが、実は一番大変なんじゃないかって気がするんですけど。

大柳 糖質制限することによって体を動かすエネルギー源のスイッチを、糖質から脂肪へと切り替えることが可能になります。優先的に体脂肪を燃焼できるようになるので、すっきり痩せることができるんです。

山口 糖質じゃなければ何でも食べていいんですか?

大柳 良質のたんぱく質と食物繊維をたっぷり摂ることが最大のポイントです。ことに女性の場合、パンやパスタ、スイーツなどで糖質を多く摂りがちで、たんぱく質の摂取が不足していて、これが痩せられない原因のひとつになっているんです。

山口 たんぱく質のこと、あまり考えたことがなかったです。

大柳 40歳すぎの女性にとって、たんぱく質はたるみがちな皮膚やもろくなりやすい骨、減少していく女性ホルモンなど、失われていく体の材料に必須の栄養素です。しかもたんぱく質は糖質や脂質よりもエネルギー消費量が高いので、肉や魚を避けていては健康的に痩せられません。

山口 エーッ、そうなんですか?

大柳 ただし摂り方に工夫が必要です。たんぱく源になる主要な食材には、肉、魚介、卵、大豆製品の4種類がありますが、このうちの2つを毎食の食事量の半分ぐらいになる感じで食べてください。

山口 2つを組み合わせれば、肉食ばかりにはなりませんね。

肉、魚介、卵、大豆。4つのたんぱく質を充分摂ることが大事。

大柳 残り半分は食物繊維を摂ってください。緑の野菜、きのこ、海藻、こんにゃくなど食物繊維を食べるようにすれば、ビタミン、ミネラルも摂れて、腸内環境が整えられ、お通じも肌ツヤもよくなります。

山口 たんぱく質と食物繊維の組み合わせって、美しく痩せるためのゴールデンコンビなんですね。

大柳 たんぱく質系の食材の強みはいろんな栄養素を摂りやすいということもあるんです。赤身の肉や魚には鉄が豊富だし、豚肉にはビタミンB₁、鶏肉にはエネルギーの代謝をよくするパントテン酸、魚には骨を作るビタミンD、大豆製品にはマグネシウムなどのミネラル、卵なら細胞膜やホルモンの材料になるコレステロールが摂れますよ。

山口 半々の目安量はありますか?

大柳 イメージでかまいません。自分の満腹感を10として、その半分の5をたんぱく質、あとの5を食物繊維で補うつもりで料理をそろえてほしいんです。山口さんのふだんの食生活はどんな感じなんですか?

山口 お酒が好きなので、酒の肴メインで主食はあまり食べません。でもお昼とか、母の食事の支度でおにぎりや麺類などを作りながらけっこうつまみ食いしちゃうんですよね。あと、夜お酒を飲んでいるうちにムラムラしてきて、ドカ食いしてしまうときが週に1〜2回あるんです。

大柳 お酒で理性のタガが外れると、糖質に走りやすいんです。今回のダイエットでとくに大切なのは最初の2週間。お酒の飲み過ぎに注意して、ごはんやパンなど主食は抜きましょう。たんぱく質系のおかずは満足感があるから、しっかり食べられます。

山口 今回はアルコール量も減らしたいと思っています。

大柳 醸造酒のビールや日本酒には糖質がありますが、蒸留酒のウイスキーや焼酎なら糖質ゼロなので飲んでも大丈夫ですが、量は控えめに。山口さんのふだんの料理に不足している栄養素は?

山口 今日はアドバイスをいただきたくて、ふだん作ってる料理を5品持ってきました。

大柳 とってもおいしそう。色味もきれいで、全体にヘルシーですよね。

新ごぼうと鶏肉の煮物

ごぼうは食物繊維が豊富。独特の香りが鶏肉の旨味を活かし、ごはんなしで満足感が味わえる。だが、糖質高めの根菜なのがごぼうの弱点。一回に食す量をもう少し減らして、鶏肉を増やしたい。

トマトと卵の炒め物

トマトのリコピンには強力な抗酸化力があり脂溶性なので、卵と炒めれば吸収率もアップするが、糖質が比較的高め。卵との相性はよいけれど、使う量は少なめに調節することが肝心。

豆腐ときのこの肉そぼろあん

豆腐は高たんぱく、低脂肪で、味が淡泊。ごはんの代用になり、糖質制限には頼もしい味方だ。ただし、とろみを出すのに使う片栗粉や葛粉は糖質たっぷり。使う量を控えるなどして調整が必要。

キャベツのペペロンチーノ

キャベツとじゃこの食感の組み合わせが満足度を高め、食べ過ぎと主食への渇望を防いでいるが、油を使った加熱料理の作り置きは油の酸化に。またカロリー過多になりがちなので少なめに。

とうがんのゼリー寄せ

作り置きできて低カロリー。おかずでお腹を満たす糖質制限食ではマストアイテムになる。ゼラチンの代わりに寒天を使うと、よりカロリーが減らせて食物繊維を摂れる。

山口 社員食堂に長い間勤めていたし、料理を作るのは好きなんです。

大柳 どれもたんぱく質と食物繊維が入っていてバランスがいいし、じゃこやトマト、椎茸のうまみを利用して減塩にもなっていますね。

山口 でも、煮物や煮つけは甘味をつけたいんですよね。

大柳 砂糖ではなく、料理には発酵食品の本みりんがおすすめです。

山口 油脂は控えたほうが?

大柳 酸化した油はコレステロールが悪玉になるので、炒め物よりも、茹でる、蒸す、煮るなどして、アマニ油をかけ回すのをおすすめします。

山口 アマニ油?

大柳 オメガ3という体内では生成されない必須脂肪酸が摂れます。青背の魚の油、EPA、DPAからも摂れますが、中性脂肪を減らす働きがあるんです。調理油には酸化しにくいオレイン酸豊富なオリーブ油を使うようにするといいですね。

山口 栄養面のバランスでは?

大柳 ミネラルが摂れる海藻類はあったほうがいいですね。ことにめかぶやもずくなどのヌルヌル系は肝機能を高める働きがあるし、抗酸化力もあるので、お酒が好きな方には大切な食材です。肝臓をきれいにしておくことと筋肉をつけることがダイエットには必須で、どちらかに問題があると代謝が落ちるんですよね。

山口 肝臓を休ませるためにお酒は控えて、ジムで筋トレしなくては!

『クロワッサン』929号(2016年7月25日号)より

●山口恵以子さん 作家/2013年『月下上海』で松本清張賞を受賞し、脚光を浴びる。7月15日に新刊『恋するハンバーグ 佃はじめ食堂』が出版される。

●大柳珠美さん 管理栄養士/2006年より糖質制限理論による栄養指導や食事相談を行う。『10分で作る! ダンナもやせる満腹おかず』など著書多数。

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