伊藤さおりさん(以下、伊藤) 運用の必要性はわかりましたが、株などは浮き沈みが激しそうで、知識がないまま手を出すのは怖いです。
虻川美穂子さん(以下、虻川) そう、イチかバチか感がある。
横山光昭さん(以下、横山) 個別の株を買う場合の話ですね。それはもちろんリスクが高いです。ハイリスク・ハイリターン、ですから。過去にも東京電力など、かつての大企業の株が、紙くず同然になってしまったことが。一般の方にはNISAや「日経225」などがオススメです。全体の株価の平均の推移を見るので、1社だけ買うのに比べリスクが分散されます。あとNISAを利用して株に投資すれば、利益が非課税になるメリットがある。
虻川 株なんてお金にすっごく余裕があって、頭がいい人がやっているイメージだから、私にできるかどうか……。
横山 もちろん、少しは勉強することが必要ですが、私が提案する運用はそういう賭けごと感があるものではありません。とは言っても、1円たりとも損したくない方や、株価の値動きが気になって日常生活に支障をきたすという方には勧めません。ただ食わず嫌いはもったいないし、先ほども言ったとおり、お金を預けているだけではインフレ時代には対応できません。投資は100%推測できはしないのですが、ある程度の利益は見込めるのです。
伊藤 横山さんは個人的に、どれぐらい利益を得ているんですか?
横山 投資先をコロコロ変えずに、長いこと同じものを買っていますが、大体3・8%の利回りです。金利が0.001%程度の銀行に預けておくよりはるかにマシです。
虻川 わ、それすごいおトクかも!
横山 できることなら運用はなるべく若いときに始めて、時間を味方にしてコツコツやっていくのがいいと思います。株価の下がったときに売らないで持ちこたえ、ちょっと上がってきたら売ったりできるのも、長い視野で運用しているからこそ。運用に関する正しい知識を持ち、自分の許容範囲のリスクの中で、長い目で投資をするほうが結局トクするのです。
虻川 すみません、初歩的な質問なんですが、そもそも日経225とかって、どこで買えばいいんですか?
横山 証券会社ですよ。リアル店舗もあるし、ネット証券もあります。
虻川 いやいや、ネットは怖いです!
横山 大手ネット証券などはセキュリティもしっかりしてますから大丈夫ですよ。そこで開設した口座にお金を預けておくんです。仮に100万円預けても全額運用しなくていいので、銀行代わりにする部分もあります。
虻川 そんな時代なんですね~。
伊藤 銀行でもいろいろ勧められることがありますが……。
横山 手数料ビジネスの一環と考えたほうがいいですよ。証券会社も銀行も、売りたいものを売る。私たちにとってお得なものは、彼らにうまみがないことがあるわけですよ。虻川さんが先ほど、ネットが怖いと言いましたけど、店舗があると、当然家賃も人件費もかかる。その分を何で回収しているかというと、手数料。だからネット証券はコストが低い分、手数料をおさえることができるわけです。
伊藤 でも、ネットの証券会社だと相談ができないのが難点です。
横山 何を買うか決めておけばいいから、相談する必要はないんです。同じ商品を買うなら手数料が安いほうが良いですからね。