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野宮真貴さんに聞くエレガンスの極意は、
「誰かにゆだねる、変化を楽しむ」。

40代、50代、60代……。それぞれのステージで現代女性のライフスタイルは多様化していて、もはや横並びではない状況。つまり「生き方に正解はない」ということ。

妻、母、仕事人と複数の顔を持ち、あくせくと奔走しながらも、寄る辺なき不安を抱えている女性が多いのではないでしょうか。自分が向かっている先に道はあるのか、この身体はどうなっていくのか……。

そこで、時を経てもなおエイジレスに輝く女性に、生き方のヒントを聞くインタビューシリーズ。第1回目にご登場いただくのは、シンガーの野宮真貴さんです。

写真・小笠原真紀 文・藤島由希

野宮真貴さん。ポータ・ブルロック、ピチカート・ファイブのボーカリストを務め、90年代には「渋谷系」と呼ばれる音楽やカルチャーのアイコンとして活躍。2011年にはデビュー30周年を迎える。

野宮真貴さん。「ピチカート・ファイヴ」3 代目ヴォーカリストとして、’90年代に一斉を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、 音楽・ファッションアイコンとなる。 2010年に「AMPP認定メディカル・フィトテラピスト(植物療法士)」の資格を取得。現在、音楽活動に加え、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍中。

 

1本の赤い口紅をお守りに。

「私も、普段はフラットシューズを履いていますよ」

靴についての話からインタビューは始まりました。
筋力が衰え、ボディラインは崩れ、いつも荷物ばかり多くて、もはやハイヒールを履く余裕などない! そんな後ろ向きの姿勢に、エレガンスの極みと言える野宮さんから喝を入れていただこうと思ったところに返ってきたのが、この意外な答え。

「私も若いころはハイヒールしか履かなかったし、自著でもそう豪語していたんですけど(笑)。さすがにいまとなっては、毎日ハイヒールでは足が壊れてしまいます。もちろん、みなさんの前に立つステージやパーティーでは履きますけど、日常生活ではもう、ね」

毎日ハイヒールを履く必要はない。野宮さんのその言葉に、胸の重しが消えてほっとする。ただし、大人の女には“オンタイム”があることを忘れずに。

「1足でいいから、シュークローゼットに美しいハイヒールを置いておきたいですよね。そして化粧ポーチには、真っ赤な口紅を1本。いざというときに付けられるように“お守り”として持っているだけでも、自分が女であることを忘れずにいられると思うんです。それに、実用的ではないものを買うのって、スリリングじゃありませんか?」

そう、確かに。教育費や食費、住宅ローンなどが頭をよぎると、自分を飾るためのハイヒールや口紅は、「実用的ではない」という理由で買い物リストから除外してしまう。

「私自身の体のために、オーガニックコスメで真っ赤な口紅を探してみたんですね。でも、これというものが見つからなくて……。そこで、オーガニックコスメのブランド『MiMC』の協力を得て、サプリルージュという真っ赤な口紅をプロデュースしたんです。
その制作過程で、同世代の女性たちにいろいろと話を聞いてみて驚きました。赤い口紅を人生で1度もつけたことがない、という人がとても多くて。しかもその理由は、『自分には絶対に似合わないから』と言うんです」

加齢によるフェイスラインのたるみや、顔のくすみが気になりはじめた自分に、鮮やかなルージュが映えるとはとても思えない。そもそも自分は“そういうキャラ”じゃない……。

「歳を重ねた女性だからこそ、無難な色を選ぶと、ますますくすんで見えてしまいます。なにより思い込みで“似合わないから”と避けるのが、もったいないこと。年齢と共に頭も頑なになりがちですが、心の余裕や豊かさは、持っておきたいですよね」

大人の女性にとっての真の「豊かさ」とは、高額なものを身に纏うことではなく、変化や意外性を楽しむ「心の余裕」なのかもしれない。

 

プロデューサーは実は身近にいる。

トップ69,000円、スカート42,000円(ともにJ&M デヴィッドソン/J&M デヴィッドソン 青山店 港区南青山5-3-25 TEL03-6427-1810) リング(スタイリスト私物)

トップ69,000円、スカート42,000円(ともにJ&M デヴィッドソン/J&M デヴィッドソン 青山店 港区南青山5-3-25 TEL03-6427-1810) リング(スタイリスト私物)

「私は、シンガーとしてみなさんに見られる側の仕事をしているので、確かにファッションやヘア、メイク、立ち振る舞いには気を配っているほうかもしれません。でもね、私も、みなさんのことを見ていますよ。私、人間観察が好きなんです。電車に乗っているときや、赤信号でふと立ち止まるときに。でも結構、気を抜いていらっしゃる女性がいますよね」

街中で野宮真貴が私を観察している……! そんなスリリングなシチュエーションまではいかずとも、人は、人を見ている。お互いに観察し合っているのだ。それなのに「スターじゃないから見られていない」という無自覚さは要注意!

「ファッションやヘアメイクに関しても、まわりの誰かに相談してみればいいと思うんです。近所の美容院で相性のいいスタイリストさんを見つけて、トレンドのスタイルを教えてもらったり。デパートのビューティーカウンターだって、口紅1本でも買えば、メイクの相談に乗ってくれるでしょう?
実は、身近なところに“プロデューサー”がたくさんいるんですよね。『私には必要ない』『絶対に似合わない』などと言わずに、身をゆだねてみると、いまの自分らしいスタイルやモードが見えてくると思います」

11月11日リリースのニューアルバム『世界は愛を求めてる。〜野宮真貴、渋谷系を歌う。〜』のジャケットでは、往年の女優を思わせるクラシカルないでたち。それが、いまの野宮さんのモード。

「50年代のDiorのニュールックをイメージしてみました。最近は、普段着でもクラシカルなものに惹かれますね。オードリー・ヘップバーンやグレース・ケリーといった、女性誌を飾る永遠のファッションアイコンは、常に参考にしています。
でもね、私にとっての理想の女性像は、バービー人形(笑)。彼女、実はもう結構なお歳のはずなのに、時代のトレンドに合わせてスタイルを変化させていくでしょ? 永遠の憧れの女性ですね」

 

【information】

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◆ニュー・アルバム「世界は愛を求めてる。」2015.11.11(wed) ユニバーサル ミュージックより発売
◆ライブ「野宮真貴、渋谷系を歌う−2015−。」
2015.11.13(fri)@ ビルボードライブ大阪
11.19(thu) & 20(fri)@ ビルボードライブ東京


 

野宮真貴オフィシャルサイト
http://www.missmakinomiya.com/
ユニバーサル ミュージック
http://www.universal-music.co.jp/nomiya-maki/

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