【香港#01】香港ステイ、クルーズ船という新しいホーム。 | トピックス | クロワッサン オンライン
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【香港#01】香港ステイ、
クルーズ船という新しいホーム。

文・岩瀬大二

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香港、18時30分。高い天井、大きな窓、元気な西日が少しずつトーンを落とし、周りの円卓の少し上気した中国語のリズムを心地よいBGMに感じ始める。424人を収容するホールは、迫力というよりも、いにしえの中国の王宮を思わせる開放的な社交場。キリッと冷えた白のハウスワインで喉を潤せば、昼の火照りと歩き回った疲れが解けていく。王道だけれども軽やか、白い洋風の皿が似合う国際都市らしい中華料理が並び始めれば、心弾む夜の始まり。

ここは、ヴィクトリア・ハーバーをクルーズする豪華客船、スーパースター ヴァーゴ。2つのメインダイニングのひとつ、ゲンティンパレス。トワイライト・ディナーが軽快に幕を開ける。

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九龍のダウンタウンから程近いオーシャンターミナルのゲートから、専用のイミグレーションで「have a nice evening」の微笑みで迎え入れられたのは、30分前の18時。そこから先は、湾の上の別世界。今夜の「宿」であるバルコニー付きのキャビンで荷を解いて、窓を開けるとさっきまでの熱気と喧騒の世界から、少し涼やかな自分に返れる一瞬だ。

スマートカジュアルの装いに着替えたら、もう今夜のプランも財布もいらない。食事もアクティビティも基本的なことはオールインクルーシブだから。お酒や買い物、ちょっと特別な体験や食事も、キャビン(客室)のアクセスカードでチェックアウト時に精算すればいい。セキュリティもしっかりしている船内。面倒な予約、トラフィックの心配、不安な夜の街にナーバスになって、ホテルまでの帰りの足を気にして…といった旅先の小さな心配事を、すべて忘れられるのがいい。

豪華客船のクルーズは手が届かないな、という世界に感じていたけれど、ここ香港では気軽なレジャーのひとつだ。たとえば、このスーパースター ヴァーゴによる香港湾内クルーズは、1泊2日、2泊3日など、ショートステイが基本プラン。夕方に出航し、朝には再び入航する。地元の方々は、記念日や、家族との団欒、仲間との懇親などに賢く、楽しく利用しているらしい。

オールインクルーシブの料金を考えると、ホテルに比べてお得な面も多く、その上、香港の夜景も、エンタテインメントも揃っているのが魅力。昼間、思いっきりアクティブに動き回って、夕方から朝は心地よい刺激とリラックスの中、豪華客船で過ごす、というプレミアム感と賢い旅の選択は、新しい香港ステイのスタイルではないかと思う。

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ステイ料金に含まれるゲンティンパレスでのコースメニューを楽しみ、元気を取り戻した胃袋が求めたアラカルトを追加で。そのころ、船はゆっくり桟橋を離れていく。足取りも軽く、デッキ6のゲンティンパレスから、最上階のデッキ13に上がる。直接、風を感じ、夜空を見上げる船の最上階だ。次第に九龍の喧騒は涼風と共に遠ざかっていき、その九龍と香港島の幻想的な夜景が静かに動き出す。

ヴィクトリアピークから見下ろすのとはまた違う、息遣いが聞こえてきそうな夜景。頭の中で流れるのはボズ・スキャッグス、1980年のアルバム『ミドルマン』。1曲目の『JOJO』のメロウなトーンで夜景に浸っていると、次第に2曲目のアップテンポな『Breakdown Dead Ahead』へ。今夜はここから降りて再び日常の喧騒に戻っていくことはない。この船の中でめいっぱい羽を伸ばして楽しむだけだ。

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もちろん部屋に帰るのはまだ早い。全長268m、キャビン(客室)数935室。東京ドームの約1.5倍の広さを誇るスーパースター ヴァーゴ。レストラン、カフェ、ラウンジも11カ所。デッキ13、そのままオープンエアの「タベルナ バー」でトロピカルドリンクを飲みながら、意外な名手のバンド演奏を楽しむ。

女性ヴォーカルを含めた3人組は、オープニングのチャック・マンジョーネからビージーズ、カーペンターズ、キンクス、ロイ・オービソン、ジャクソン・ブラウンを混ぜ込んだオリジナルメドレー。アデルからサイモン&ガーファンクルのボクサーまで変幻自在だ。中国本土からの客がいるとみるや、中国のヒットポップスまで、さらりと極上のエンタテインメントを繰り出してくる。

豪華客船ならではのエンタテインメントならデッキ7・8の大劇場「リド」。サプライズ連続のマジックショーやアクロバットショーに興奮させられる。興奮ならカジノへも。地元香港の方にとっては社交場だ。街中のような熱気に溢れ、高齢の女性もバカラテーブルで深夜まで真剣勝負!そんな光景を見ることができる「スタークラブ」、高級ラウンジのような落ち着いた雰囲気の「パラッツォ」など3カ所で楽しめる。僕は勝負も何も、彼女たちの迫力に押され、ただ、ぐるっと回っただけの弱気だったけれど。

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今回は2泊3日のプランを選択した。2泊目は少しリラックスも目的にして、水着、バスローブに着替えてオープンエアのジャグジーから夜景を眺めてみる。ジムで軽く汗を流すのも、リセットにはちょうどいい。フットマッサージで昼間の疲れを癒したり、頭を休めて旅を振り返るなら静かな図書室もよさそうだ。

ロビーフロアに下りれば開放的なアトリウムの中、軽やかなピアノの音色がきこえる。ふとしたところで生音楽が楽しめるのも、クルーズ旅の小さな贅沢だ。どの施設でも、迎えてくれるのはアジア各地からやってきたスタッフの微笑のサービス。これも異国にいる、という緊張をやわらげてくれる。

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キャビンに帰ってくるころ、いったい、何時になっているのだろうか。何時でもいい。初日は0時30分、2泊目は1時30分だった。楽しみ方がわかると、どんどん船での行動範囲が広がっていく。2泊目もカジノへは足を踏み入れただけだったけど、と苦笑する。今夜もバルコニーの椅子に座ってしばらく海風にあたって目を閉じる。海の上とは思えない安定感、安心感の中で自然に眠くなったらベッドへ。

朝、海をキラキラと照らす陽光で自然に目を覚ますと、船は再び湾内へ戻ってゆくところだった。朝食はデッキ12、見晴らしのいいコンチネンタルレストラン「メディテラニアン ビュッフェ」で元気をチャージする。そしてふたたび香港の町へ…。

面倒なドレスコードや社交術がなくても気軽に楽しめる豪華客船でのステイ。背伸びをするのではなく、自分らしい旅のための賢くて楽しい選択。香港の魅力を再発見できる、新しい選択だと思う。

スーパースター ヴァーゴ。客室数935、1870名が乗船できる巨大な船はまさに海上のホテル。

スーパースター ヴァーゴ。客室数935、1870名が乗船できる巨大な船はまさに海上のホテル。

 

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