Vol. 42 作っているだけで癒される「味噌づくり」。
友人に誘われて、人生初の味噌づくりワークショップに参加した。
普段は実家の母が毎年仕込んでいる麦味噌を使っている。(故郷の愛媛ではさらっとした甘みが特徴の麦味噌が主流。)あるとき、ふいに「この麦味噌、母が作れなくなったらどうするんだろう」と不安になったことがある。ただ、作り方を教わればいいだけのこと…なんだけど、離れて暮らしているとなかなか機会がない。
そんな気持ちをずっと抱えていたので、友人のお誘いにはすぐに飛びついた。
まずは自分で作ってみようと。
WS当日は、雪が降るかも?という予報の寒い寒い朝。きゅっと縮こまった体で会場に入ると、大豆のほんのり甘い香りがたちこめている。
ちなみに今回作るのは大豆味噌。
まずは塩と麹を手で合わせる。
塩麹をつくるときと同じだけれど、量が多いこともあって時間をかけてこすり合わせていくと、麹の香りがふんわりとしてくる。こころなしか、手の感触もやわらかくなってきたようだ。
これが噂の麹肌つや効果!?
(写真を撮り忘れました…><)
続いて、ゆであがった大豆をつぶしていく。
「フードプロセッサーを使うと楽で簡単ですよ」と講師のアドバイスがあったが、私たちはすり鉢を使用。
すりこぎ棒で大豆をつぶしていくと、大豆の香りが立って心地いい。これこそ天然アロマだ。
そしてつぶした大豆と先ほどの塩麹を合わせる。
この感触が、たまらなく気持ちいい。
「子どもたちがご飯粒をつぶしたがるの、わかるね」と参加者のひとり。
食材をこねる作業は、本能的に癒されるのかもしれない。
その癒されている手から出ているエキスも、きっと味わいのひとつ。
出来上がった味噌を容器に入れ、1年待つ。
1年後、どんな味噌が出来上がるのだろうか。なんでもかんでも早いがいいこの時代に、なんとも贅沢な待ち時間だ。
やはり、母の麦味噌も教わることにしよう。

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