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Vol. 40 乳がんのMRI検診

この連載コラムでは、女性医療ジャーナリスト、増田美加が“女性の医療最前線”を毎回お伝えしています。

今年2回目は、日本女性のがんで最も罹患率が高い「乳がん」の検診についてです。日本はいまや12人に1人が乳がんにかかる時代となり、毎年6万8千人(2010年データ)に新たな乳がんが発見されています。

そんななか、企業の「乳がん検診」に新たな動きがありました。医療のリーディングカンパニーとして知られている「テルモ株式会社」が、女性社員と配偶者を対象にして、2015年度から従来のマンモグラフィ、超音波検査に加え、「乳房MRI検査」も受けられる体制にすることを発表しました。

テルモは、「NPO法人乳がん画像診断ネットワーク」と共同で、乳がん検診啓発の小冊子『乳がん 検診と診断 知っておきたいこと』を作成。昨年10月のピンクリボン月間から配布を開始しています。社内では、人事部と健康保険組合が連携する「コラボヘルス」として、乳がんの検診受診を促す活動をさらに活発に行い、乳がん検診受診率を現在の約60%から80%に引き上げることを目標にしています。

その立役者である、人事部の山本晃史さん(左)と小原史紗子さん(中央)。
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さすが企業理念に「医療を通じて社会に貢献する」を掲げる企業だけあって、社員の定期健診受診率は100%、再検査受診率も80%という高水準。また、任意のがん検診にも力を入れており、胃がん、大腸がんでは検診受診率が約80%と高い水準です。

乳がん検診での乳房MRI検査は、日本ではまだ多くなく、施設も限られていますが、病変の発見率(感度)が高く、乳腺濃度が高い人の検診(この連載のVOL.4で紹介)やアンジェリーナ・ジョリーさんのように、乳がんや卵巣がんの家族歴がある「ハイリスク女性」の早期発見、手術前検査などに有効です。

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では、「乳房MRI検診」は、どこで受けられるのでしょうか?

そのひとつでリーダー的存在の「亀田京橋クリニック」

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ここでは、「乳がん・卵巣がん ハイリスク検診」をスタート。

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乳がん、卵巣がんが発症するリスクが高い方のために、乳房MRI検査(乳がん)、骨盤MRI検査(卵巣がん)、経腟超音波検査(卵巣がん)、腫瘍マーカーなどを行っています。
「乳房MRI(造影剤)検査」は、¥20,000(税抜)。「骨盤MRI(非造影)+腫瘍マーカー(CA125、CA19・9)+経腟超音波検査」は、¥20,000(税抜)です。

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乳房MRI検査は、乳がんを診断するのに、最も発見率が高い画像検査と言われています。マンモグラフィや超音波で見えない乳がんを見つけることができるため、海外では、ある特定の遺伝子変異(BRCA1、2)がある女性の早期乳がんの発見に推奨されています。

「亀田京橋クリニック」院長 清水幸子先生(産婦人科医)

「亀田京橋クリニック」院長 清水幸子先生(産婦人科医)

「亀田京橋クリニック」診療部部長 戸崎光宏先生(放射線科、乳腺科医)

「亀田京橋クリニック」診療部部長 戸崎光宏先生(放射線科、乳腺科医)


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