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Vol. 31 プライマリ・ケアの専門医

今日は、プライマリ・ケアについて紹介します。みなさん、プライマリ・ケアとは何か、ご存知でしょうか?

プライマリ・ケアとは、大病院での“専門医療”に対して、普段からどんな病気でも、ちょっとした症状でも診てくれて、相談にのってくれる身近な医師(おもに開業医)による“総合的な医療”です。たとえば、「頭がモヤモヤする。いつもと違う、なんだか変だ」と思ったときには、何科を受診すべきでしょうか?「内科? 脳神経外科? 精神科あるいは心療内科? 更年期世代なら婦人科?…」と迷いますね。そんなとき、プライマリ・ケアを専門にする近所の医師にかかることができるのが理想です。

最近やっと日本でもプライマリ・ケアを専門とする医師が出てきました。特定の病気だけを診る臓器別の専門医療とは異なり、患者をひとりの人間として総合的、全体的に診療する医療です。もしも、緊急の事態が起こったり、専門的な医療が必要になったりしたときは、最適な専門医を進んで紹介してくれます。また、健康診断の結果についての相談や検診のアドバイスもしてくれます。まさに、“ホームドクター(家庭医)”です。

2010年には、「日本プライマリ・ケア連合学会」という学会もでき、プライマリ・ケアを専門とする医師も徐々に増えてきています。みなさんの地域の近くにも、プライマリ・ケアを専門にする医師がいないか気にかけてみてください。このサイトでも探せます。

私が最近出会って、とても素晴らしいなあと思った、プライマリ・ケアのドクターをご紹介します。

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樫尾明彦(かしお あきひこ) 先生です。家庭医療(内科・小児科)・漢方・訪問診療、日本プライマリ・ケア連合学会認定 家庭医療専門医。プライマリ・ケア漢方を専門領域にしています。

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樫尾先生は、2014年の春から、東京都杉並区の和田堀診療所に所長として赴任されました。樫尾先生は、あらゆる年代の患者さんに、外来診察だけでなく、在宅(訪問)診療にも力を入れています。漢方薬についても詳しく、健康保険で漢方薬を処方してくれます。

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ここ和田堀診療所は、プライマリ・ケアであるホームドクターのいる診療所として、よろず相談の窓口となって、地域に根ざした医療を目指しています。
検査は、超音波(エコー)、レントゲン、心電図ほかの検査もできます。

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「検査内容」:血液検査 、尿検査 、便検査 、各種培養検査、 レントゲン(火・木・金曜午前)、心電図 、視力/聴力 、超音波(エコー)検査(第1・3週の火曜、第2・4週の水曜)心臓・腹部・頚動脈・甲状腺・乳房超音波(技師さんは女性)、 尿素呼気試験(ピロリ菌検査)、簡易睡眠検査。

また、病気や障害があっても、住み慣れた自宅で過ごしたいという患者さんや家族の想い、自宅で最期を迎えたい…などなど、さまざまな要望を受けとめて、通院が困難な人にも安心して在宅療養を続けていただくために、在宅(訪問)診療も行っています。
樫尾先生が目指しているのは、患者だけでなく、家族も、安心して自宅で過ごすことができるような手伝いをしてくれる医療です。

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地域の健康診断検診も受けもっていて、杉並区と中野区の区民健診、がん検診なども受けつけています。平日受診できない人のために、休日健診も年に何回か行っているそうです。
「健診・検診内容」:成人等健診、特定健診、肝炎ウィルス検査、大腸がん検診、胃がん検診、肺がん検診、前立腺がん検査

診療所の2階では、訪問介護事業所が併設されていて、介護相談も受けています。 医療相談だけでなく、地域の健康、医療を支えている基地になっているのがわかります。

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そんな樫尾明彦先生が本を書き、共著で9月12日発売になります。専門家向けではありますが、漢方医療に詳しい樫尾先生の初めての著書です。
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