「お金だけに頼らない暮らし」を取材しに、神奈川県旧藤野町へ。
紅葉の名所でもある藤野の絶景に感動しつつ、向かったのは天然酵母のパン屋「ス・マートパン」。店主・池辺澄さんとお客さんのやりとりを見ていると、支払いに、「円」のお金以外に何やら変わった紙幣や通帳が使われていることに気づきます。
これ、ある特定のエリアやコミュニティで使用可能な、“地域通貨”というもの。誌面では、通帳型の藤野地域通貨「萬(よろづ)」について詳しく取材しているのですが、実はそのほかに、綱子地域通貨「ゆーる」、シュタイナー学園学内通貨「廻(めぐり)」があり、「萬(よろづ)」「円」と合わせて、この店ではなんと4つの通貨が使えるのです。
現行通貨の「円」にない、人と人との繋がりや信頼を補うものとして生まれた地域通貨の具体的な仕組みは誌面をチェックしていただくとして、高齢者も若者も、子どもまでもが当たり前に地域通貨を使う様子を見て、新しい経済活動の芽を感じました。