くらし
ニュース

【山本多津也さん × 紫原明子さん】バツイチ・子持ち同士、嗜好品としての恋愛とは。

  • 撮影・清水朝子 文・嶌 陽子

子持ちだからこそ分かる、相手の子どもへの配慮の仕方。

紫原さんの家で、紫原さんの娘と絵を描く山本さん。「彼は子どもが好きなことに付き合ってくれます」

出会ってから1年後の初デートで、意気投合。そこから恋人としての付き合いが始まった。
「多津也さんの話を聞くうちに、前の奥さんと憎み合って離婚したわけではなく、何とか修復できないかと散々努力したことが分かってきた。私もそうだったから親近感が湧いたし、信用できると思ったんです」(紫原さん)
「夫婦の離婚は、恋愛での別れと違って、すごく深いところでの苦悩があってのもの。彼女はそれを経てきたのだから、表層的な判断はしないという信頼感がありますね。それと、子育てをしながら仕事をしている彼女を、とても尊敬しています」(山本さん)

付き合いを始めた頃、「わざわざ子どもに報告しなくていいよね」と2人で話し合ったというが、山本さんは、東京に来るたび、少しずつ、自然な形で紫原さんの子どもたちと交流するようになった。今では、紫原さんの家で一緒に過ごしたり、時々皆で出かけたり。子どもたちから「山本さん」と呼ばれ、仲の良い関係を築いている。
「子持ちの人と付き合うのは初めてだったので、最初は相手の子どもにどういう感情を抱くのか、自分でも心配でした。でも、いざ接してみると、心からかわいいと思えるんです。自分でも新鮮な発見でした」(山本さん)
「離婚後、多津也さんと出会う前に付き合った男性もいるけれど、子どもたちに会わせたいと思う人はいなかった。家族の中には入ってきてほしくないなって。でも、多津也さんの場合は、子どもたちも一緒に、きれいなもの、面白いものを共有したいなと思えるんです。それはやっぱり、彼が子持ちだということが大きいと思う。子どもへのケアの仕方や、ここに配慮してほしいということを言わなくても分かってくれる。まさに、かゆいところに手が届く感じです。私にとって、相手が“バツイチ、子持ち”というメリットは大きいですね」

紫原さんの息子は高校生。普段は口数が減ってきたが、山本さんが家に来ると饒舌になるのだという。
「憧れの大人の男の人に、自分のことを認めてほしいという感じ。一度、『今までは女2人、男1人の家族だったのが、山本さんが来てくれて味方ができた』と言っていたことがあります。これは推測ですが、離婚後、“自分が男として家族を引っ張っていかなくては”と気負っていたのが、少し肩の荷が下りたんじゃないかと思うんです」

ただし、打ち解けたとはいえ、子どもたちの前で“恋愛”の気配を見せないようにすること。それは、2人とも暗黙のうちに気をつけていることだ。
「親が恋愛しているって、子どもにとってみたら複雑な気持ちだと思うんですよね。特に娘はそう。先日、『山本さんはパートナーなんだよ』って娘に伝えたら、『山本さんは好きだけれど、恋愛しているママはキモい』っていう反応でした(笑)」(紫原さん)
「僕も、明子ちゃんと付き合う前、娘に『パパ、彼女いるの?』って聞かれて。その時はいなかったので、『いないよ。パパに彼女ができたら嫌なの?』と聞いたら、『いいけど、手はつながないでね』と」(山本さん)
「恋愛は、2人きりの時にすればいい。子どもたちの前では、家族の顔をするようにしています」(紫原さん)

一方で、紫原さんも山本さんも、元パートナーと連絡を取り合ったり、時時会ったりしている。お互いの元パートナーへの嫉妬や対抗心が生まれることはないのだろうか。
「それは全くないです。多津也さんのお子さんたちより自分を優先してほしいという気持ちもない。それは、自分も同等の立場だから思えることなんじゃないかな。むしろ、離婚した元夫に対してのほうが、ちょっと微妙な感情がある。“どっちが先に幸せになるか”みたいな対抗心とか。だから、今も元夫とはよくメールしたりしていますが、お互いのプライベートの話はしません」(紫原さん)
「僕も、元妻と話すのは、仕事や子どものことくらい。恋愛の話は一切しませんね」(山本さん)

1 2 3 4
この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

この記事が気に入ったらいいね!&フォローしよう

SHARE

※ 記事中の商品価格は、特に表記がない場合は税込価格です。ただしクロワッサン1043号以前から転載した記事に関しては、本体のみ(税抜き)の価格となります。

人気記事ランキング

  • 最新
  • 週間
  • 月間