リフォームに関する苦情のなかで一番多いのは、仕上がりが希望したものと違う、こんなはずじゃなかった、という類のもの。
「こうしたトラブルに共通するのは契約書が曖昧で、見積もりも一式いくらなどと大雑把にしか書かれていないため、何をどうするのか全くわからないこと。起きるべくして起きたトラブルが多いんですよ」
と山見さん。見積書はちゃんと検討することが必要で、つい費用総額に目が行ってしまいがちだが、「何をどのように使っているか」をよくチェックするべき。
「もうひとつトラブルの原因になるのが、打ち合わせ不足や打ち合わせ記録が残っていないことです」
打ち合わせ記録は議事録ともいう。その日に話し合って決めたことをすべて記録した紙を、複写式にして、施主と業者がサインして1部ずつ持っておくとよい。
「これを毎回やることが大事で、打ち合わせ記録が残っていると『こんな壁紙だっけ?』と疑問が出たときは品番をチェックできるし、トラブルが起きたときは法的にも有効です。きちんとした打ち合わせ記録があれば、トラブルの半分以上は解決すると思いますね」
そして何よりトラブルを防ぐカギは、専門家によるチェックを入れること。
「理想を言えばホームインスペクターが計画段階から入って、リフォームする前と工事中、工事終了時にチェックすれば、どのようなことが行われたかがわかります。見落としがあれば業者にやり直してもらいますし、施主の希望どおりになるようにサポートします」