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こんど京都を訪れるときは、ケーキのはしごがおすすめです。

  • 撮影・森山祐子、マツダナオキ(オ・グルニエ・ドール) 文・山口紀子

ラ・ヴァチュール

上・140年以上続く名物〈タルトタタン〉690円。下左・〈くるみのタルト〉500円。「祖母のレシピに比べ、キャラメルを少しビターに焦がしています」。下右・若林さんがメニューに加えた〈オペラ〉490円。食感を意識し、ローストアーモンドを砕いて加えている。※価格は税込

祖母から受け継いだもうひとつの名菓にも注目。
店主の若林麻耶さんが祖母から受け継いだ〈タルトタタン〉は、本場フランスで表彰されたこともある本格派。
「りんごを煮込んでは休ませ、時間をかけて味を含ませます。炊いたん(煮物)を作る感覚ですね」(若林さん)
旬の秋冬には、1ホールに20個以上のりんごを使うため、果実のみずみずしさを味わえる。また、スイスの郷土菓子を忠実に再現した〈くるみのタルト〉も齋藤さんの一押しだ。
「素朴なクッキー生地の中には、ねっとり濃厚なキャラメルクリームとくるみのヌガーのみ。振り切った構成と味が印象に残ります」(齋藤さん)

ラ・ヴァチュール●京都市左京区聖護院円頓美町47-5 TEL:075-751-0591 営業時間:11時〜18時 定休日:月曜

マルク・パージュ

上・〈フロマージュ・クリュ〉380円。下左・〈ヴァランス〉320円。オレンジとシナモンの芳香をまとわせ、小麦粉を使わずに作る柔らかなチョコレートケーキ。下右・オーストリアの伝統菓子〈リンツァートルテ〉420円。さっくり軽めの生地にスパイスを利かせて。※価格は税込

ヨーロッパの伝統菓子を洗練された現代の味に。
「口の中ですっととけるか、ふんわりとけるか。食感が少し違うだけで、香りの立ち方が一気に変わります」
シェフの秋山知晴さんは自身のこだわりについてこう語る。ウィーン菓子とフランス菓子の巨匠に学び、故郷・栃木に開いた店を、京都に移し7年目。香りと味のバランスを追求し生まれたのが、新鮮なミルクの味を生かしたチーズと儚いビスキュイのバターが同時に香る〈フロマージュ・クリュ〉。
「どれもやさしい口どけながら、味の骨格がしっかりしているのが素晴らしい。伝統を踏襲した上での、モダンなアレンジが光ります」(齋藤さん)

マルク・パージュ●京都市中京区釜座通竹屋町下ル亀屋町325 TEL:075-252-5678 営業時間:10時〜19時(イートイン〜17時) 定休日:火曜 https://marque-page.shopinfo.jp

パティスリータンドレス

人気メニューの一例。上・〈シャルロット・フィグ〉700円。下左・〈ベゼ・デーヴ〉720円。爽やかな青りんごムース、スパイシーなキャラメルムースの掛け合わせが見事。下右・〈ペルル・ドール〉800円。ミラベル(フランス産イエロープラム)に、清々しいハーブの風味を添えて。

一期一会のケーキを五感すべてで味わいたい。
どんなケーキに出合えるかは、当日のお楽しみ。「一期一会の作品主義」を掲げ、営業は土・日・月曜の3日間のみ。残りを仕込みと研究に費やす熱心さで、シェフ・山口貴之さんは毎週異なる8種の生菓子を提供している。
「繊細な香りと食感を楽しむため、食べる温度帯まで指定するこだわりよう。香りの開き方や口どけ、余韻まで緻密に組み立てられています」(齋藤さん)
ある日のメニューは、自家製干しイチジクジャムのババロアと、歯ざわりが楽しいくるみのビスキュイを重ねた〈シャルロット・フィグ〉。切り口までもが端正で美しい。

パティスリータンドレス●京都市左京区一乗寺花ノ木町21-3 TEL:075-706-5085 営業時間:11時30分〜19時(イートイン13時〜17時30分L.O.) 定休日:火〜金曜 http://tendresse.jp

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