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口のなかで完成する味の芸術、人気パティシエの創作の源とは?

  • 撮影・清水朝子

一年の「発見」から生まれた、 驚きに満ちた珠玉の4粒とは?

2017年サロン・デュ・ショコラ出品作。左から「HARU ~赤と緑が交差するとき(苺&ふきのとう)~」「神の木 ~クロモジ~」「YUZU ~エスペレットピーマンの刺激と共に~」「サンマルティン ~終わりなきカカオ探求の旅~」。

そして今年も、10月末の「サロン・デュ・ショコラ」に出品する新作ショコラが完成した。2017年の全体テーマは「ディスカバリー」だ。

「今年は味の新発見、再発見が多かった年。以前から知っている素材に対しても、今の僕だからこそできた解釈がありました。1つ目は苺とふきのとうのショコラ。実はふきのとうは5年前にも使ったんですが、その時表現したのは“苦味”。けれど今年改めて感じたのは、野性味や青々しい香り、春の芽吹きのエネルギーのようなものでした。それを際立たせるために、甘酸っぱい苺と2層にし、口の中で味が交差する作りに」

2つ目は、爪楊枝「黒文字」の原料の植物、クロモジを使った一粒。

「和食屋で黒文字を使って水羊羹を食べた時、これはショコラになると思った。それで、ここ三田や京都で採れるクロモジの高貴で爽やかな香りを生クリームに移し、ペルーのクーベルチュールと合わせました。鼻に近づけると鮮やかに香りますよ」

2012年から毎年、世界のカカオを巡る旅に出ている。去年はペルーへ。

3つ目は柚子とエスペレットピーマン(唐辛子)、4つ目はカカオ自体を味わうショコラだ。

「2つとも、衝撃的な素材との出合いから生まれました。和歌山のある生産者の方が作った柚子皮のパウダーは、とにかく香りが華やかで、生のような風味が出る。それをプラリネと合わせ、バスクの唐辛子を利かせました。そして最後の一粒は、毎年行うカカオの旅で出合ったペルー・サンマルティンのカカオが主役。現地でかじった豆そのもののおいしさに感動して、それをクーベルチュールにしてほしいと友人に頼みました。シンプルなのに、3Dメガネをかけたように奥深い味わい。4粒を食べる順番も重要で、徐々に味のトーンが上がる構成にしています」

小山さんが衝撃を受けた、ペルー・サンマルティンのカカオ。©パティシエ エス コヤマ

おすすめの食べ方は、一粒を2等分し、一巡した後、また1つ目から食べる方法。「2度目には、1度目では気づかなかった味の“発見”がきっとありますよ」と小山さんは言う。

SUSUMU KOYAMA’S CHOCOLOGY 2017 DISCOVERY 〜終わりなきカカオ探求の旅〜
2017年サロン・デュ・ショコラ出品作。1,728円(税込)。11月2日〜販売。来年1月の伊勢丹新宿「サロン・デュ・ショコラ」などでも購入できる。取り寄せも可。

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