神戸生まれの若菜晃子さん。幼い頃に近所のグロサリーで外国のお菓子の虜に。お国柄で味もパッケージもまるで違うのが楽しかったという。長じて日本各地の山に登るようになり、ローカル菓子のおもしろさに目覚めていった。
「地元の特産物とか伝説、偉人までお菓子のモチーフにしちゃう。特に和菓子、中でも最中は顕著です。皮の造形を工夫することで郷土愛を込めやすいんでしょうね」
箱根『ちもと』の鈴も、稚内『かしわぎ』の蟹も、伊豆『梅月園』の松かさも旅先で見つけたもの。しかも1度ならず2度3度リピートしているのだそう。
「どちらも手を広げすぎず真面目に作ってらっしゃるところばかり。こういうお店のあんこはきちんと豆の味がするんです。都内ですが『さゝま』や『田川堂』も、そこは同じ。機会あるごとに美味しくいただくことで応援したいなと思います」