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スタイリスト・小暮美奈子さんに聞く、シンプルな料理に映える大皿。

大きな皿の存在感はなんと見栄えのすることか。難しい料理でなくていい。シンプルなものを盛ったときこそ、器の魅力がよりひきたつ。スタイリスト・小暮美奈子さんにその魅力と愛用の器を聞いた。
  • 撮影・三東サイ 文・一澤ひらり
シンプルで気品漂うガラスプレート(φ31cm)。東京・湯島で1910年に創業した老舗『木村硝子店』で小暮さんの友人が手に入れたというドイツ製。元は全面クリアだったが、同店で底面だけすりガラスに作り替えてもらったものを、のちに小暮さんが譲り受けたというプチストーリーが彩りを添える。 「薄いガラスなのに、堅牢でいて優雅です。底面のすりガラスがいい感じにフルーツやチーズを引き立てます。ジャムを入れたガラス器をのせたり、工夫するのが楽しいですね」

「おおらかで、どんな料理も受け入れてくれる懐の深さが大皿の魅力」
と、小暮美奈子さん。テーブルの真ん中に大皿があるだけで気持ちにゆとりが生まれるという。

「大皿はせかせかしたところがなくて、時間がゆっくり流れているように感じます。料理を豪快に盛るだけでサマになるので、奇をてらう必要はありません。お客様を招いたときとか、もてなし料理を大皿に盛ると食卓が華やかになって気分が高まるんですね。ことに料理を取り分けて大勢でワイワイ言いながら食べる楽しさ! 大皿が和やかな雰囲気を生み出してくれるんです」

寛大で心が広い人のことを「器が大きい」というように、まさに大きな器である大皿は、幅広くどんな料理も受け止める包容力がある。
「自由な発想で盛りつけられるのも大皿ならでは。小鉢や手塩皿などを上に置いて高低差を出し、アクセントをつけるのもアイデアです。簡単な料理を3〜4品盛り合わせればおしゃれなオードブル皿になりますし、カフェ風ワンプレートごはんにしても楽しめる。一器多用に使えるのが大皿の素晴らしいところですね」

難点は重くてかさばること。といって食器の最下段に置くと、つい面倒で出番も少なくなりがちに。「気軽に取り出せる場所に置いておくことがポイントです。ふだんの家庭料理が、大皿に盛るたったそれだけで特別なご馳走になりますから」

朴訥で、木の温もりが伝わってくる、その風合いが魅力のウッドプレート。
小暮さんがセレクトショップで見つけ、ひと目ぼれしたというアメリカ・バーモント州で作られたウッドプレート(φ31cm)。
「余分な水分を吸い取り、焼いたパンがパリッとしておいしいんです。ナッツやドライフルーツを盛り合わせるのも素朴でいいですね」
木の器は使い込むほどに味わいが深まっていくので、器を育てる喜びもあるという。この日はカンパーニュなどを盛り合わせ、フランス産と国産、2種のバターを添えた。会話がはずむきっかけとなる、さりげない演出。

 

黒と縁の焼き締めのコントラストが美しい、島根・出西窯の大皿。
出西窯は1947年、島根・斐川町に創業。民藝の教えである“健康な美しさ”と“誠実な物に宿る美しさ”を礎にして、手間を惜しまず日々の暮らしの器を作り続けている窯元。この黒釉の大皿(φ26cm)は旅行のときに、出西窯敷地内のショップ「くらしの陶・無自性館」で購入した。
盛りつけたのは牛肉のブリスケット(肩バラ肉)。ローリエなどの香味野菜とともに時間をかけてじっくり蒸し煮した。
「塊肉をスライスしてそのままのせたり、ダイナミックな盛りつけが大皿には似合います」

 

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