「おおらかで、どんな料理も受け入れてくれる懐の深さが大皿の魅力」
と、小暮美奈子さん。テーブルの真ん中に大皿があるだけで気持ちにゆとりが生まれるという。
「大皿はせかせかしたところがなくて、時間がゆっくり流れているように感じます。料理を豪快に盛るだけでサマになるので、奇をてらう必要はありません。お客様を招いたときとか、もてなし料理を大皿に盛ると食卓が華やかになって気分が高まるんですね。ことに料理を取り分けて大勢でワイワイ言いながら食べる楽しさ! 大皿が和やかな雰囲気を生み出してくれるんです」
寛大で心が広い人のことを「器が大きい」というように、まさに大きな器である大皿は、幅広くどんな料理も受け止める包容力がある。
「自由な発想で盛りつけられるのも大皿ならでは。小鉢や手塩皿などを上に置いて高低差を出し、アクセントをつけるのもアイデアです。簡単な料理を3〜4品盛り合わせればおしゃれなオードブル皿になりますし、カフェ風ワンプレートごはんにしても楽しめる。一器多用に使えるのが大皿の素晴らしいところですね」
難点は重くてかさばること。といって食器の最下段に置くと、つい面倒で出番も少なくなりがちに。「気軽に取り出せる場所に置いておくことがポイントです。ふだんの家庭料理が、大皿に盛るたったそれだけで特別なご馳走になりますから」