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【器好きのいつもの食卓】料理に手をかけられなくても、好きな器があれば心は満足します。

  • 撮影・徳永 彩

30歳で美大に。どうしても自分で作って仕事にしたかった。

最新作「ディッシュイズ」。プレート・230(φ230×H38mm)3,300円、220(φ220×H30mm)2,800円、200(φ200×H30mm)2,500円、180(φ180×H25mm)2,200円。ボウル・L(φ185×H70mm)3,000円、S(φ125×H50mm)1,800円。以上1枚価格。マット2、艶4の全6色。

学生時代のアルバイトが食器の卸会社の小売店、就職も輸出入品を扱う雑貨店と、もともとプロダクトの器に興味があったイイホシさん。とはいえ当時の量産品は、ヨーロッパの老舗の高級ブランド品か、安上がりな大量生産のものという両極端だった。

「私の欲しい、ちょうど中間の存在が見当たらなかった。どうしても自分で作って仕事にしたいと、30歳で美大に入って。だからスタートは遅いんです」
自分でろくろを回して、陶芸の作品も作るようになったけれど、
「自分が一点ものの作家になるのはやっぱり違うなと。私の中から出てくる、欲しいと思う器はプロダクトだと、徐々にひとつの線になった感じです」

プロダクトラインは、まずイイホシさんが原型を作り、それをもとに図面を引き、石膏型ができて、ファーストサンプルを焼き上げ、そこに修正を加えて、色やサイズ展開を決め、商品化していく。そうしてできた新しいシリーズは、自らどんどん使ってみる。
「どんな料理が合うか、食洗機に入れたらどうか、収納した感じなども、いろいろ試してみたいんです。今だと、白い縁のある『ディッシュイズ』と、ガラスの『クリスタリン』シリーズ」

「ディッシュイズ」は、木村硝子店から業務用のシリーズを依頼され作ったコラボもの。上の写真を見てほしい。同じサラダも、艶のあるネイビーとミントグリーン、マットなベージュとグレー、それぞれ雰囲気が異なる。そして、白い縁があるのは内側だけで側面にはぎりぎりまで彩色してあるため、スタッキングした姿を横から見たときの色の重なりが美しいこと。白い器こそ万能と思いがちだけれど、イイホシさんの色はとても魅力的だ。
「色は、私の食器で楽しんでもらいたいポイントです。違う色を合わせてもきれいだし、同色系の艶とマットで揃えてもおしゃれ。他の器との相性もいいように心がけています。そのほうが毎日使ってもらえると思いますから」

ディナープレートとして一般的な27㎝より小ぶりな23㎝から下に1㎝刻みと微妙なサイズ設定にも注目。家庭でもレストランでも、27㎝は少しおおげさに感じることが多くなっていると、控えめだがじゅうぶんゆったり使える大きさを揃えた。
「ほんのちょっとの差で、全然違うんです。選ぶときに考えるとしたら、たとえば、ナイフとフォークで食事するなら平たい面が広いほうがいいですよね。その面をトレーふうに利用して、カップと1品を置くことも考えられる。あとは、ゆったり余白を持たせて盛り付けたいか、きっちりてんこ盛りが好きなのか。そのあたりは、正解があるというよりも、もう使う人の好みで。器のサイズ選びって真剣勝負ですよね。店頭で悩むのもよくわかります」

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