もともと二人とも、物があふれているような暮らしは好きではなかった。だからといって、物をひとつ買ったらひとつ捨てる、というような考え方はしない。
「なんだかふえすぎたな」「持っているものが正確に把握できていないな」と気づいたときに、二人のうちどちらかが突然始めるという「棚卸し」と呼ばれる作業を見せてもらうと、雨宮家の物とのつき合い方がよくわかる。
気になっている戸棚や引き出しなどに収納されているものを、全部出して、空っぽになった収納場所は水拭きする。出したものはひとつひとつ確認してもとの場所へ。このとき、食品は賞味期限が近いものからすぐに使えるように手前に出す。今回の台所の戸棚の棚卸しでは、カレールーの箱が2つ開封されているのが発見された。それをひとつの箱にまとめて冷蔵庫へ。
もともと、ストックはほとんど持たないというゆかさん、「棚卸し」によって物が一気に減るようなことはない。この作業は、片づけというよりも、持っているものを正確に把握するための確認作業なのだ。