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乳房、大腸、胃、肺、子宮頸部。検診が有効ながんの最新知識。

  • 文・寺田和代

【大腸がん】便潜血陽性で要精密検査になったらその機を逃さずに。

【大腸がんとは】

長さ約2mの大腸(盲腸、結腸、直腸)に発生するがんで、女性がかかるがんのうち亡くなる人が最も多い。腺腫という良性ポリープの一部ががん化して発生するもの、正常な粘膜から直接発生するものがある。「症状は便に血が混じる、腹痛、下痢と便秘の繰り返しなどですが、症状がないことのほうが多いので検診で早期発見を心がけてください」

罹患者が多い直腸がんは人工肛門を造設することも。出典:国立がん研究センターがん情報サービス

【推奨される検診】

効果があるがん検診として国が勧めるものは便潜血検査で、対象は40歳以上、毎年受けることが推奨される。「便の表面を満遍なく器具でこすって提出。便潜血陽性で要精密検査となった場合は必ず検査(全大腸内視鏡)を。早期発見なら治る可能性が高いのに亡くなる人が多いのは、要精密検査と言われたのに怖がって精検に進まない人が4割もいることが大きな問題。その該当者は必ず二次検査を受けて。「人間ドック等ではABC検診という血液検査によって、リスク分類を行う検査も登場していますが、亡くなる人を減らせる検証はされておらず、国としての推奨には至っていません」

【胃がん】中高年ではピロリ菌の除菌がリスクを軽減。

【胃がんとは】

胃壁の最も内側にある粘膜内の細胞が何らかの原因でがん化、無秩序に増殖を繰り返すことで生ずる。「早期に自覚症状が出ることは少なく、かなり進行しても無症状の場合も。代表的な症状は胃痛、吐き気、食欲不振など慢性胃炎と重なるものが多いため症状ごとの胃薬などを飲んで様子を見るという人もいますが、まずは医療機関で受診し、検査を受けてください」原因は喫煙や塩分の多い食習慣などのほかに、ヘリコバクターピロリ菌に感染することも要因の一つ。「ピロリ菌に感染した人のすべてが胃がんになるわけではありませんが、現在、除菌が胃がんになるリスクを低くするという研究結果が集積されつつあります。感染していることがわかれば除菌療法が推奨されます。加えて定期的な胃の検診をお勧めします」

【推奨される検診】

バリウムを飲む胃部エックス線検査に加え、昨年から内視鏡検査のいずれかを選べるようになった。男女とも50歳以上、2年に1度受けることが勧められる。一次検査で要精密検査の判定を受ける人は約10%、該当者は必ず二次検査を受けて。「人間ドック等ではABC検診という血液検査によって、リスク分類を行う検査も登場していますが、亡くなる人を減らせる検証はされておらず、国としての推奨には至っていません」

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