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乳房、大腸、胃、肺、子宮頸部。検診が有効ながんの最新知識。

がんの診断法、治療法は日進月歩だ。女性に多く「検診により亡くなる人を減らす効果が認められた」がんの最新情報を若尾文彦さんに聞いた。
  • 文・寺田和代

「時代とともに日本人でかかる人が多いがんも変わってきています。最新統計を見ると女性の部位では乳房、大腸、胃、肺、子宮頸部の順。一方、亡くなる人が多いのは大腸、肺、胃、すい臓、乳房です。乳がんではステージ1の5年相対生存率は100%。早期発見が非常に大切ということです」と若尾さん。

予防法は主に5つ。「禁煙・受動喫煙を避ける、節酒、バランスのよい食事、適度な運動、適正体重。加えて、ピロリ菌等の感染の検査をして、感染が判明したら適切な処置を受ける。初期は自覚症状がないことが多いので受診が推奨される年齢になったら検診を定期的に受けることが、がんから身を守る有効な手だてです」

国立がん研究センター、がん対策情報センターでセンター長を務める若尾文彦さん。

【乳がん】女性にもっとも多いがんも早期発見と治療で予後は良好。

【乳がんとは】

母乳を作る乳腺、乳汁を運ぶ乳管、脂肪などからなる乳房のうち、がんが多く発生するのは乳管、乳腺の一部である小葉など。日本人女性では30歳過ぎから増え始め、40代後半にかかる人がピークとなる。「女性のがんで最も多く、生涯のうちに乳がんにかかる人は女性11人に1人ですが、進行は緩やかで、全体的には比較的予後が良いがんと言えるでしょう」近年は、ホルモン受容体やHハーツーER2というタンパク質の有無など、がん細胞の性質によりサブタイプ分類に分け、それぞれタイプに合った治療法を選択する。「がんは遺伝子の変化によって発生する病気ですが、普通のがんは遺伝しません。ところが、全体の5%ほどですが遺伝するものもあります。女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは特定の遺伝子変異を持つ遺伝性の乳がんと診断されました」

【推奨される検診】

乳がん検診で効果がある、と国が推奨するのは40歳以上2年に1度のマンモグラフィ。「マンモグラフィは医師の触診だけでは発見することが難しい小さなしこりや細かい石灰化の発見に適しています。石灰化とは乳管などに沈着したカルシウムの細かな塊のことで、それ自体はがんではないものの、がんに起因する石灰化も生ずるため、検査の感度(がんの人を正しく診断できる精度)は80〜90%とされています」

ただしマンモグラフィでは乳腺濃度(乳腺密度)が高い人のがんは見つけにくい問題も指摘され、その場合は超音波検査が行われるケースもあるが、超音波による検診の有効性はまだ確認されていない。

「メディア等で喧伝される自己触診では、がんによって亡くなる人を減らすことはできません。マンモグラフィ検診を定期的にきちんと受けることのほうが大切です」

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