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【前編】40代で始めたい、胃腸から若返る食事術。

  • 撮影・青木和義 文・石飛カノ

江田 ストレスが取り除かれたからですね。でも真梨さん、下の写真を見てください。正常な胃はきれいなピンク色で粘膜がつるっとしていて光沢があります。ピロリ菌がいると粘膜が薄くなり下の血管が透けて見えて老化した胃に。胃炎やがんのリスクも高まります。

真梨 (写真を覗き込んで)ええっ、今は症状がなくても私の胃、かなり老化してるかも。

江田 除菌すると胃がんになる確率は3分の1以下になります。デンマークで一卵性双生児を集めて寿命を調べた研究があるんですが、100%遺伝子が同じ双生児でも歳をとって見えるほうが短命だということが分かりました。胃も同じで見た目がピンク色でつるっとした若々しい胃のほうがいいんです。

真梨 見た目から内面のいろいろなことが分かるんですね。

江田 慢性的な胃炎があると骨粗鬆症のリスクが高まったり、血糖値のコントロールがうまくいかなくなったり、動脈硬化が進むことも分かっています。

真梨 私、そうです! 空腹時の血糖値は90㎎/dℓくらいなんですけど測定器を買って測ったら食後1時間の血糖値がすごく高くて隠れ糖尿病予備軍でした。血圧も高めで、徹夜が続くと最高値が200㎜Hgに迫る勢いでした。慢性的な炎症があると、寿命が短くなると聞いたこともあります。

江田 そうなんです。あとは認知症のリスクが2倍になるとも。

真梨 いや〜! 今一番怖いのが認知症! 最近、もの忘れがひどいんです! でも先生、除菌すると老化した胃も若返るんですか?

江田 除菌した後、8年くらい時間はかかりますが、ピンク色の粘膜が再生して萎縮や炎症の範囲も狭まります。

真梨 どこか1カ所が悪くて身体全部が誤作動しているような気がしていたんです。それがピロリ菌のせいという気がしてきました。来週、いえ今すぐにでも除菌に行きたいです〜!

『クロワッサン』956号より

●真梨幸子さん 作家/2005年デビュー。ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』を契機に、イヤミスの女王として活躍。近著は『祝言島』(小学館)。

江田証さん 江田クリニック院長/日々200人近い患者の診療と多数の胃カメラ、大腸カメラ検査を行う。近著は『おなかの弱い人の胃腸トラブル』(幻冬舎)。

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