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【猫の問題行動を解決】止まらない爪研ぎ。もはや諦めるしかない?

  • 撮影・岩本慶三

清水 以前の猫たちと、いまの子たちで飼い方を変えたところは?

山口 これまでは自由に外遊びをさせていました。でも先代の猫たちが感染症をもらって7歳ぐらいで亡くなったから気の毒で、いまの子たちは室内飼いにしています。隣も集合住宅になって猫を放しづらくなったし……。

清水 それが猫の問題行動の原因かもしれませんね。ストレスが溜まっているんですよ。ずっと猫と暮らしているお宅でも、住宅環境が変わってきて室内飼いにした途端、猫が暴れて戸惑うケースが多いんです。つまり猫のせいというより、人間の都合なんですよね。

山口 ボニーとエラが長生きできるようにしてあげたつもりなのに。

清水 いまから放し飼いにはしないほうがいいですし、しつけ直すというより待遇改善をしてあげて、ストレスを減らすことがお勧めです。

猫の気持ちを考えながら、待遇を改善して沈静化。

ボニーとエラの爪研ぎ被害は家じゅうに及んでいる。

「もう爪研ぎに関しては諦めています。ただ偉いなあと思うのは、家族がいつも座るイスではそんなにガリガリやらないんですよね。お客さん用の空いているイスやソファでよく研ぎます」山口さんは爪研ぎについて、かねがね不思議に感じているそう。

「着物で出かける前とか、帰宅した後に目立つところに着物をかけておいても、この子たちは絶対に着物でガリガリ爪を研ぐことがありません。着物をやられたら私は怒りと絶望でどうなるか自分でもわからない。それを猫たちも察しているのでしょうか?」

清水さんはちょっと考えて、「そういうことはあるかもしれませんね。あとは感触の好き嫌いが大きいかもしれません。イスの座面もソファも壁も猫が爪を研ぐのに気持ちいい材質です。ボニーくんとエラちゃんは、高い位置に爪跡を残すのが好きみたいなので、背の高い爪研ぎを用意してあげると気に入る可能性があります」

【改善後】背の高い爪研ぎが気に入って、 そこでよく寝るようになった。

せっかく高さのある爪研ぎを用 意したのに、低いところで爪を研ぐ……まあいいか。

山口さんは清水さんのアドバイスを受けてアマゾンで「ガリガリウォールスクラッチャー」を購入し、早速リビングに設置してみた。すると、ボニーくんもエラちゃんも気に入って爪を研ぐようになった。ひとまず成功である。「猫なので人間の思いどおりにはならなくて、爪研ぎの高い場所より低い場所を使うことが多いです。リラックスしてその場で寝ちゃうんですよ」

人間の都合に猫を合わせるより、猫の都合に人間が合わせる発想が大切。「アメリカには家具を守るために猫の指を第一関節から切る獣医さんがよくいますが、環境を整えたほうが猫のためにはいいですね」(清水さん)

『クロワッサン』954号より

●山口恵以子さん 作家/『月下上海』(文春文庫)で松本清張賞を受賞。『山口恵以子エッセイ集 おばちゃん街道』(清流出版)に登場するのが、今回の猫たち。

●清水 満さん ネコアイ代表/猫と幸せに暮らす住宅の企画・設計・カウンセリングを行う一級建築士。猫専門ポータルサイト「ネコアイランド」を今年8月に開始予定。

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