東京・世田谷区で無垢材の家具と生活雑貨の店『巣巣(すす)』を営む岩﨑朋子さん。自宅は決して広くないものの、ゆったりと感じられる空間だ。家具のほとんどは、家具デザイナーでもある岩﨑さん自身の設計によるもの。お店でロングセラーとなっているものもある。
「本棚や食器棚は、背が低めなんです。収納力を求めて高くしすぎてしまうと、圧迫感が出て落ち着かないので」
家具デザイナーと、毎日家事をする生活者、2つの視点を持つ岩﨑さんの家具は、美しさと使いやすさの両方が考え抜かれている。入れ子式のローテーブルや、炊飯器や土鍋がぴったり収まる小ぶりの棚など、ありそうでないアイデアが満載。どれもサイズなどを変えてオーダーできる。キッチンで目を引く調理台は、両面収納式。ダイニングテーブル側の面には、茶葉や茶器を置く棚と、レシピ本や調理器具の取扱説明書などをすぐ手に取れるラックが。流し台やガスコンロに面した側は、毎日使う器を置くオープン棚と、保存容器類をしまう戸棚がある。料理好きな岩﨑さんが自ら設計した。これもオーダー可能だ。
「サイズをはじめ、どんなものを収納したいかなど、自分の暮らしに合わせて相談してもらえたら」と岩﨑さん。
もちろん、用途に合わせて、ゼロから家具を注文することもできる。
「引っ越す前に家具を全部揃えてしまい、後で生活してみたら合わなかったという話をよく聞きます。生活しながら、自分にとっての使いやすさを考えて、本当にほしいものを実現できるのがオーダー家具の良さ。製作期間も含めて気長さが必要ですが、妥協しないことが、心地いい暮らしにつながると思いますよ」