カジュアルフレンチの店『イバイア』で腕をふるう深味雄二さんは、塊肉を焼く達人として、肉好きなら知らない人はいないシェフ。絶妙な火入れで、一番おいしい状態に肉を焼き上げる深味さんに、家庭でもおいしく牛肉を焼くコツを教えてもらった。
「いわゆる〝ステーキ肉〟は火が通りすぎたりして、実は上手く焼くのが難しいんです。100gの肉を4人分買って1枚ずつ焼くより、400gの塊肉を焼いて切り分けたほうが、旨味が逃げずおいしくできますよ。なかでも、脂身の少ないランプ肉がおすすめです」
塊肉はまず、マリネして常温に1時間ほどおいておくことが大切。
「冷蔵庫から出してすぐの冷たい肉は、中まで火が通りにくく、焼くとパサつき固くなります。常温に戻しておくことでジューシーに仕上がるんです」
焼く時はまず肉汁が逃げないように表面を強火で焼き固めたほうがいいのかと思いきや、なんと正解は真逆。冷たいフライパンに肉を置き、常に弱火で焼くのが最大のポイントだという。